日本のビールが最も輸出されているのは、お隣・韓国だ。韓国のコンビニでの輸入ビールの売上ランキングでは、日本のビールがトップを飾っている。
Instagramでは、韓国語で「日本のビール」というハッシュタグがついた投稿が2万件を超える。各種SNSでは季節限定品まで取り上げられるほどの人気ぶりだ。
「うちの近所でもキリン一番搾りの春限定バージョンが売っていた笑」
지금 일본이라면 기린 이치방시보리 쇼호쥰을 드십시오,, 한정이라는데 한국에도 파는지 모르겟는데 이거 정말 일본맥주중 젤 맛잇음 pic.twitter.com/45tfSpsUD2
— 홀링홀링 (@jin_doing) 2018年6月16日
「今日本なら『キリン一番搾り超芳醇』を召し上がってください...限定だそうで韓国で売ってるかわからないけれど、これ本当に日本のビールのなかで1番美味しい」
●韓国に最も多く輸出
国税庁によると、2017年のビール輸出額は128億円で、前年比で35.7%成長した。国別では韓国が最も多く、80億円(全体の63%)程度のビールが輸出されている。
一方、中央日報は韓国のコンビニエンスストア(CU、GS25、セブンイレブン)での輸入ビールの販売量を調べた。最も売れているのが「アサヒ スーパードライ」(500ml缶)。他に「キリン」「サッポロ」が10位以内に入っている。「アサヒ スーパードライ」は、中国の青島ビール、オランダのハイネケンと並び、韓国での輸入ビール3強と呼ばれている。
●なぜ?
なぜこんなに日本のビールが人気なのか。
業界では日本のビールが韓国で好まれるようになったのは、日本への旅行客が増え、日本の外食文化が定着してきたからだと見ている。2017年、日本を訪問した韓国人旅行客は714万人となり、2016年より40.3%増えた。
韓国小売大手の「GSリテイル」ビール部門マーチャンダイザーのイム・ヒョンチャン氏は、6月の売上について「ビールが飲まれる季節となり、そこにロシアW杯が重なって、今月の輸入ビールの売り上げが前年比で4.5%増えた」「輸入ビールと国産ビールの売上増加率の格差がますます広がっている」と語った。
●さらに安くなる見込み
韓国のスーパーやコンビニでは、ビール4缶で1万ウォン(約1000円)の割引イベントがよく行われている。最近では4缶5千ウォン(約500円)、1缶990ウォン(約99円)まで登場し、値引き競争が熾烈になっている。
だが、ここに来てさらに値引きされる動きが出てきた。
韓国政府は現在、ビール酒税改正法案を検討している。従来は出荷価格を基準に算定する従価税方式をとってきたが、改正案ではアルコール度数や全体量で決める従量制に転換する方針だ。
従量制に転換されると、輸入ビールに課せられる税金が最大90%ほど下がる見込みだ。