日露戦争で沈没したロシアのバルチック艦隊の巡洋艦「ドミトリー・ドンスコイ」を、日本海の韓国領・鬱陵島沖の海底で見つけたと韓国企業「シニルグループ」が7月17日に発表した。
ドンスコイには、約15兆円規模の金貨や金塊が積まれた「宝の船」とも言われている。シニルグループは「世界で初めて発見した」と主張しているが、韓国海洋科学技術院(海洋科技院)は「自分たちが15年前に見つけた」と主張して真っ向から対立している。
■「船尾に"ドンスコイ"という文字を確認した」と発表
聯合ニュースによると、シニルグループは「鬱陵邑苧洞里(チョドンリ)から1.3キロメートル離れた水深434メートル地点で発見された船舶を、有人潜水艇で調査した結果、船尾に"ドンスコイ"という文字を確認した」と説明した。シニルグループは、世界で初めてドンスコイを発見し立証した分、唯一の権利者だと主張している。
しかし海洋科技院は、ドンスコイはシニルグループが新たに見つけたものではなく、15年前に同院が発見して引き揚げを試みていたと、ハフポスト韓国版に対して明らかにした。
また海洋科技院は、シニルグループが海洋科技院の位置情報を無断使用し、ドンスコイを見つけたと主張。「ドンスコイを発見し立証した唯一の権利者」との発表の信ぴょう性にも疑問が投げかけられた。
海洋科技院の関係者は18日、ハフポスト韓国版の電話取材に「ドンスコイはすでに2003年、我々が発見して写真も公開した」「シニルグループが初めて見つけたとして所有権を主張するのはとんでもない」と語った。
2003年、海洋科技院のユ・ヘス博士チームがドンスコイを発見して引き揚げを推進した事実は、新東亜など各種メディアに何度か報じられた。ユ博士チームが当時撮影したドンスコイの船体写真も公開されており、現在も海洋科技院ホームページで確認できる。