日本の「国際競争力」は世界5位 世界経済フォーラムが発表

「ヘルス」と「イノベーション力」で上位に。

世界経済フォーラム(WEF)が10月17日に発表した「国際競争力レポート」で、日本の総合順位は前年より3つ上がり、5位になったことがわかった。分野別では「ヘルス」で1位、「イノベーション力」で6位に付けている。

世界経済フォーラム
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各国の総合ランキングでは、米国が85・6ポイントで10年ぶりに首位に返り咲いた。世界の平均スコアを25ポイント以上、上回っている。2位以下は、シンガポール、ドイツ、スイスと続く。

日本はトップ10カ国の中で、最も顕著な改善を示した。高い評価を受けている分野は「ヘルス」。一方で、「制度」(20位)や「労働市場」(18位)などは低い順位に付けている。

個別の評価指標では「一人当たりの特許出願数」が1位、「GDPに対する研究費」では3位につけた。

日本は既にイノベーションの拠点となっているが、さらなる成長のためには、社会全体の持続的な成長を目指す「イノベーションエコシステム」の育成が必要だと指摘されている。

東アジア・太平洋地域で最も高い順位につけたのは、シンガポール(総合2位)だった。「将来を見据えた準備」が最も進んだと評価されている。

調査結果を受けて、全般として「最も懸念点される点」として挙げられたのは、アイデア創出から製品をつくり、商品化するまでのイノベーション実現のプロセスだった。

この分野指標でのトップはドイツ、さらに米国、スイスが続く。しかし、多くの国で人工知能やIoTなどの技術革新がもたらす第四次産業革命への準備が道半ばであることが明らかになった。

今回の調査対象は140カ国。98種類の指標を0から100までのスコアで評価し、理想的な国家や競争力を示す12項目に分類して比較した。

職場におけるダイバーシティや革新的なビジネスなどが競争力に大きく影響することを踏まえ、今年のレポートに使用された指標の60%以上は、前年までのものから刷新された。

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