国会が、ついに変わった。数百人の議員が密集した形で座る本会議場は、新型コロナウイルスの感染が拡大する恐れがあるという指摘が出ていたが、4月10日から議席の間隔を空けるなどの対策が取られることになった。
■参院本会議では前後左右を1席分空けることに
政府の緊急事態宣言を受けて、衆参両院ともに4月8日と9日の本会議や委員会の開催を中止していた。
産経ニュースによると、10日から再開された参院本会議では、議員同士の密接を防ぐため、前後左右を1席分空けて議員が着席した。座席に固定されている採決用の押しボタンは使わず、起立採決の方式になったという。
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参議院では旧貴族院時代に比べて議席数が減っているため、定数245に対し460ある議席を活用することで可能になった。
衆院本会議は空き席が少ないため同様の措置は難しいが、毎日新聞によると今後は、出席する議員数を採決時以外は抑制する措置を講じるという。
■「クラスターの発生源になりうる」と議員からも批判があった。
新型コロナウイルスの感染拡大を避けるため、政府の専門家会議や安倍首相が国民に対して密集、密閉、密接の「3密」を避けるように促す中で、これまで国会の本会議場では議員が密集して審議が進んでいた。
無所属の衆院議員、寺田学氏は4月3日の衆院本会議を「社会的距離(ソーシャルディスタンス)を確保できていない」という理由から欠席した。
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寺田氏はハフポスト日本版の取材に「こんなクラスター(感染者集団)の発生源になりうる本会議を開くのも、全く理解できません」と訴えていた。