メルカリの小泉社長と子会社の松本社長、ダブルで男性育休の取得へ

対象となる男性社員の9割が育休を取得。先進的な取り組みで知られる。
メルカリの小泉文明社長(右)とソウゾウの松本龍祐社長
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メルカリの小泉文明社長(右)とソウゾウの松本龍祐社長

フリマアプリ最大手の「メルカリ」は10月3日、小泉文明社長(37)と、子会社ソウゾウの松本龍祐社長(36)が、今年中にそれぞれ2カ月間の育児休業を取得することをビジネスインサイダーが報じた。

メルカリの広報担当者によると小泉社長は10月半ばごろに第2子が誕生する予定で、妻の出産直後に育休に入る。また、第1子が誕生する予定の松本社長も今年中に育休を取得する。

小泉社長は「長女が誕生した際に、妻の大変さを目の当たりにした。まだその子も2歳になったばかりで協力したい」と話しているという。

また、ソウゾウの松本社長は「妻も仕事をしていて、万全の体制で復帰してもらいたかったので、できる限りサポートしたい。新生児の期間は短いので、できるだけ一緒にいる時間を取りたい」とのコメントを寄せた。

「応援の声をたくさんいただいた」

成長中のベンチャー経営者が育休を取得することは日本ではまれだ。しかし、メルカリの広報担当者によると、社員や関係先などからも特にネガティブな反応はなく「応援の声をたくさんいただいている」という。

小泉社長は「育休中にも問題がないように、執行役員やマネージャーに権限移譲を進める。弊社では海外出張やリモートワークでも仕事に滞りがないよう、普段からオンラインのツールを活用している。必要な場合にはコミュニケーションに問題がない体制を整えている」としている。

日本の男性の育休取得率(2016年)はわずか3.16%という低水準。厚生労働省の調査では、夫の家事・育児担当時間が多いほど、第2子以降の出生数が多いことがわかっており、少子化対策にとっても有効と考えられているが、なかなか進まないのが現状だ。

男性が育休を取得しなかった理由についての三菱UFJリサーチ&コンサルティングの調査では、「職場が育休を取得しづらい雰囲気だったから」が最多だった。

しかし、メルカリでは男女を問わず、子供が生まれた社員に対しては育休の取得を推進。2016年2月からは新しい人事制度を導入し産休・育休期間中(8週間)の給与を100%保証している。これまで、対象者の約9割にあたる26人の男性社員が育休を取得したという。