子どもが医薬品を誤飲し、入院するなどの事故が発生しています。
風邪や持病のほか、最近はインフルエンザも流行しているため、薬が家にあるという方も多いのではないでしょうか。
消費者庁が「大人用の薬には子どもの命に関わるものもある」と注意を呼びかけています。
「糖尿病の薬を…」「お菓子感覚で28錠」
消費者庁や国民生活センターには、次のような事故情報が寄せられています。
「子どもが引き出しに入った風邪薬の瓶を近くにあった台を足場にして取り出していた。子どもの口の中に錠剤が入っていたため取り出したが、急性薬物中毒で1週間入院した」(1歳)
「寝室で子どもがぼーっと横たわっていた。近くにはかじられた多数の向精神薬と空のシートが落ちていた。24錠内服したと推測され、入院となった」(2歳)
「祖父母の家に滞在中、子どもがからの薬ケースを持ってきて『食べた』と言った。祖父の高血圧と糖尿病の薬が3日分なくなっており、経過観察を目的に小児集中治療室で入院した」(3歳)
「子どもの近くにチョコレートと喘息の薬の包装があった。子どもが毎日1錠ずつ内服していたが、お菓子感覚で28錠食べてしまい入院した」(7歳)
命に関わる危険性が高いものも
消費者庁によると、子どもによる医薬品の誤飲事故は、子どもの年齢や発達段階によって変化する行動特性が影響していると考えられているそうです。
例えば、「身近にあるものをなんでも口に運ぶ」や「周囲への興味や関心が高まり、人の模倣をする」、「興味を持って好んで取る」などがです。
大人用の薬の中には、向精神薬や気管支拡張剤、高血圧、糖尿病の薬など、体格の小さな子どもにとっては重い中毒により、命に関わる危険性が高いものもあります。
同庁は、医薬品の誤飲事故を防ぐために、次のことを呼びかけています。
・子どもの手が届かない、見えない場所に保管する
・引き出しに鍵をかける、取りにくい容器に入れる
・服用前と後に置きっぱなしにしない
・大人や医薬品を取り出したり、飲んだりする様子を子どもに見せない
・医薬品はお菓子ではないことを伝える
万が一、子どもが医薬品を飲んでしまった場合は、誤飲が起きた時刻、子どもの状態、薬の名称、飲んだ量を確認し、直ちに医療機関を受診する必要があります。
また、呼吸や意識が普段の様子と違う場合は、すぐに救急車を呼んでください。