オーストラリアの大型スーパー「Kマート」は、抗議を受けて国内の店舗の棚から子供向けの花嫁衣装を撤去した。その後は逆に「撤去するべきじゃない」と抗議を受けるというジレンマに陥っている。
■ハロウィンに向けた買い物中にショック
地元テレビ局の「セブンニュース」によると、メルボルン在住の女性シャノンさんが、娘と一緒にハロウィンの買い物をしているときに、少女向けの衣装に妖精やユニコーンなどと並んで、ウェディングドレスがあるのを見てショックを受けたことがきっかけだった。
シャノンさんは10月下旬、このウェディングドレスをKマートの棚から撤去するための署名を「change.org」で募集した。4〜6歳の少女に向けたもので、価格は6オーストラリア・ドル(約500円)だった。
署名を呼びかける際にシャノンさんは「毎年、この衣装のパッケージに描かれているとの同じ6歳ぐらいの1200万人の少女が本人の同意なしに家族によって売買されたり、結婚させられたりしています。これは、毎月100万件もの児童婚が起きていることを意味します」と説明した。その上で「この衣装は不適切で不快すぎるもので、Kマートは商品を撤去する社会的な責任を負っている」と訴えていた。
この児童婚についてのデータは、ユニセフの統計と一致している。
セブンニュースによると、署名運動の開始直後の10月22日に、Kマートは商品を棚から撤去した。Kマートの広報担当者は「みなさんに不快感を与える意図はなく、私たちは心から謝罪します。この製品を撤去する決定を下しました」とコメントしたという。
■「子供の夢を奪われた」今度は撤去に反対する署名活動が盛り上がる
このことが報じられると、逆にウェディングドレスの撤去にする反対する署名が10月26日現在で4000人以上も集まっている。
呼びかけ人のサリー・ロードさんは「多くの親は子供向けのウェディングドレスが児童婚を描いているという主張に反対しているし、棚に戻して欲しいと思っています。ハロウィンに花嫁の格好をしたいと思う子供の夢が奪われたのです」と訴えている。
(この記事はハフポスト・オーストラリア版の記事を翻訳しました)