モデルで女優の水原希子がCMに出演しているサントリーのツイートに対して、差別表現を含むコメントが多数投稿され、ネット上で物議を醸している。
当該のツイートは9月7日、サントリービール株式会社の商品「ザ・プレミアム・モルツ」のキャンペーンに伴い、同商品の公式アカウントが投稿した。
水原はアメリカ人の父親と韓国人の母親を持ち、アメリカ・テキサス州のダラス生まれを公表している。外国にルーツを持つことから、このツイートに「なぜ日本人を使わないのか」といったコメントが書き込まれた。
また、これ以前にも、5月から7月にかけて同アカウントには水原が出演するCMのツイートが複数回投稿されており、いずれも「在日」などの言葉を差別的な文脈で使ったコメントが付いている。
9月8日、Twitter社が民族差別や性差別にあたる投稿を放置しているとして、都内で市民らが抗議活動を行った。こうした動きやデモに対して、Twitter社は「早急な問題解決に向け動いています」とのコメントを発表している。
このような経緯から、9月7日に投稿されたザ・プレミアム・モルツのツイートに対する差別発言への同社の対応に注目が集まったとみられる。
サントリー広報担当者は、ハフポスト日本版の取材に対して、「今回の当社の投稿に対して、Twitter上でキャンペーンの趣旨と異なるコメントが多く付いていることを残念に思っております」とコメントした。
ユーザーが好きな時に、好きなように「呟き」を投稿できるTwitter。自由な空間だからこそ、他人に対する差別的なツイートや、誹謗中傷にあたる言葉が蔓延ってしまっているのが現状だ。
Twitter社は、「ユーザーが安心してさまざまな意見や信念を表現できるよう、嫌がらせや脅し、または恐怖を与えて他のユーザーが発言できないようにするといった、攻撃的な行為を禁じています」とのポリシーを掲げている。
2016年11月には、ユーザーが内容に問題があると判断したツイートを同社に「報告」する機能に、「人種、宗教、性別、考え方などを誹謗中傷または差別している」との項目を追加した。このフォームから報告されたツイートは、Twitter社のルールや該当する法律に基づき、違反と判断された場合に対応措置が取られる。
この機能を利用し、ザ・プレミアム・モルツのツイートに寄せられたリプライを「報告した」と宣言するユーザーの声もTwitter上では広がっている。
Twitter Japan社の広報担当者はハフポスト日本版の取材に対し、個別のアカウントに関するケースのため、同アカウントのツイートやリプライへの対応措置については回答できないとした。
その上で、ヘイトスピーチ対策として「すでに毎日大量のツイートに対処を行っている」とし、以下のようにコメントした。
「Twitterは世界中のすべての方々がそれぞれの視点や経験からの意見や知識、情報、また作品などを自由に表現できる場でありたいと考えています。そのために存在するTwitterのルールにのっとり、すでに毎日大量のツイートに対処を行っています。
先日の抗議活動を含め、ヘイトスピーチに関してさまざまなご意見を頂戴しています。100%ご満足いただく結果をもたらすことはなかなか困難ではありますが、最大限の努力のもとでTwitterを改良していこうとさまざまな観点から見直しを始めています」