9月15日に75歳で死去した、俳優の樹木希林さん。その独特の演技や人生観に魅せられた人は多かった。5月には「万引き家族」でカンヌ映画祭に参加、10月には次の出演作「日々是好日」の公開も控えるなど、亡くなる数カ月前まで俳優の活動を続けていた。訃報が流れた後、Twitterなどでの追悼のメッセージが相次いだ。
■「神々しくさえありました」
朝日新聞デジタルによると、樹木さんが出演し、カンヌ映画祭でパルムドールを受賞した「万引き家族」の是枝裕和監督は次のようなコメントを寄せた。
監督と役者の関係を超えて、濃密な楽しい時間を共有させて頂きました。体が弱ってからもどこかその、初めての体験を面白がっているようなところがあり、凄(すご)みと軽やかさの同居した姿は神々しくさえありました。本当に見事な、希林さんらしい人生の締めくくり方をされたと思います。
オリコンニュースによると、10月13日公開の映画「日日是好日」で共演した俳優の黒木華さん、多部未華子さん、大森立嗣監督がコメントを寄せた。
「公開初日にお会いできると思っていたのに、残念です。昨年12月、撮影しながら希林さんのことが大好きになっていきました。大事なことをひょうひょうと語る姿が目に浮かびます。出会えたことは僕の財産です。今はただご冥福を祈るばかりです」(大森監督)
「突然すぎて、なんと言えばいいか本当に言葉が浮かびません。希林さんとお仕事をご一緒できたことはとても光栄でしたし、かけがえのない時間でした。もっと、もっと、お話ししたかったです」(黒木さん)
「突然のことで言葉がどうしてもつまってしまいます。寒い撮影の中、樹木さんの控え室にお邪魔して、2人で膝掛けを分け合いながらお話ししたこと、忘れません。今はただただ、ご冥福をお祈りいたします」(多部さん)
■「一度でいいからご一緒したかった」
Twitterでも、追悼のメッセージが相次いだ。中には、自身と樹木さんのエピソードを明らかにする人も。俳優の佐藤二朗さんは、ずっと目標にしていた、唯一の異性の俳優だった、と明らかにした。
■「恐ろしい喜劇女優が出てきたと子供心に思った」
タレントのラサール石井さんは、樹木さんの若い頃の演技ぶりを、「恐ろしい喜劇女優が出てきたと子供心に思った」と振りかえる。
■舞台裏で「あんな無粋なこと言わないで」
元TBSアナウンサーの久保田智子さんは、かつて司会を務めた映画の舞台挨拶の際、樹木さんから言われた言葉を綴った。
樹木希林さんに言われた忘れられないこと。多くのトレンディ俳優が出演する映画の舞台挨拶で通例通り「なお、質問は映画のことに限らせていただきます」というと、樹木希林さんに舞台袖で「あんな無粋なこと言わないでくれる?私たち芸能人はスキャンダルも含めて、どう対応するかなんだから」
— 久保田智子 Tomoko Kubota (@tomokokubota) 2018年9月16日
■撮影現場で「隅っこにいないで胸を張りなさい」
若手俳優からも、追悼のメッセージが相次いだ。
映画「わが母の記」で共演した俳優真野恵里菜さんは、新人だった自分をフォローしてくれた樹木さんの言葉を振り返った。
映画「わが母の記」の現場で、まだ演技経験が少なくどこにいたらいいか分からなくて隅っこにいたら「あなたもこの作品の役者なんだから端っこにいないで胸を張りなさい!」と言ってくださった樹木希林さん。
とても感銘を受けました。
感謝の気持ちでいっぱいです。
心よりご冥福をお祈りいたします。
— 真野恵里菜(Mano Erina) (@erina_mano) 2018年9月16日
■数々の愛あるダメ出し、宝物
6年前たった一度の共演でしたが、くだらない話や芝居のこと、沢山の思い出を下さいました。数々の愛あるダメ出し、僕の宝物です。とても大きな存在で、またいつか、必ずと思っていたので果たせず残念です。
希林さん、本当にありがとうございました。ゆっくり休んで下さい。
ご冥福をお祈り致します。
— 松坂桃李 (@MToriofficial) 2018年9月16日
樹木希林さん、
LIFEで宇宙人総理という
コントで、ご一緒出来たこと。
最高に幸せな時間でした。
本当にすごくて、圧倒的な
総理のお母さんだった。
あれを間近で見たんだよ。
すごいよ、絶対忘れない。
心よりご冥福をお祈りいたします
— 西田尚美 (@nnnnaominishida) 2018年9月16日
■病はほころびのよう
社会的な問題への関心も高かった。2017年6月のハンセン病フォーラムに登壇したときは、次のように語っていたという。