東京都の小池百合子知事が9月25日の記者会見で、若狭勝衆議院議員らとともに国政新党「希望の党」を立ち上げると発表した。小池氏は代表に就任する。
小池知事は会見で、これまで関係が近い若狭氏や、民進党を離党した細野豪志衆院議員らと新党設立について議論してきたが、「リセットして私自身が立ち上げる。直接絡んでいきたい」と述べた。
一方で、安倍政権については経済政策「アベノミクス」を念頭に、「日本経済は下がり続けている」と指摘。安倍政権に対し一定の距離をとる姿勢を見せた。
これまでにも小池知事は、安倍首相が28日にも解散をするという見通しについて「大義なき解散」と批判。北朝鮮情勢が緊迫化するなかで、ふさわしい時期か疑問であると指摘している。
この日の会見で、小池知事はなにを語ったのか。
小池知事は、希望の党設立後も都知事としての職務を続けると念押しした。
都政については、「しっかりとやっていく。むしろ都政をより磨きをかけていく。さらにスピード感を確保していくためには国政に何らかの関与が必要。改革、保守、これらを満たす人々で新しい勢力を作り、都政にとってもプラス」になると説明。
一方で、希望の党の政策は「希望の政治」と題して、「しがらみのない政治」「行政改革、徹底した情報公開」のほか、「希望の社会」の一環として「女性政策など、ダイバーシティ社会の確立」などを掲げた。
緊張が続く北朝鮮情勢について「国難でもあるが、経済でも世界が大きく動く中、改革と言いつつジリジリと日本の存在は下がり続けている。このままに任せておいていいのか」と指摘した。
また、安倍政権が進める経済政策「アベノミクス」については「特区の問題についても必要だが、情報公開やお友達関係でやっている間は特区の意味がない」と批判。
「国政において、しっかりと代弁する勢力を確保していくことが、東京都にとってもプラスではないかと考えた」と述べた。
民進党との連携については、「前原代表とは日本新党以来の付き合いで、コミュニケーションも取れると思う」と前向きな姿勢を示した。
一方で、「党を丸ごとというよりは、やはり改革ということ、保守ということ、(希望の党の)柱になる政策に同意いただけるかということが必要になってくる」と述べた。
民進党の前原誠司代表は23日に記者団に対し、「第2の自民党にはならない」という点で同じ方向を向いているとして、希望の党との連携の可能性を示唆している。
7月の都議選で連携した公明党との関係については、「子どもの受動喫煙防止条例を共同提案している。都民には必要なもので早く仕上げてほしいという声もいただいている。こういった都民第一に考えた足並みが壊れることはないのではないか、同じ方向に向かっているのではないかと考えている」と評価した。
一方で、公明党の山口那津男代表は21日の記者会見で、「都民は昨年(の都知事選で)、小池氏に大きな支持を与えて都知事を誕生させた。都民の期待を担って、ぜひ知事職をしっかり遂行してほしい」と都知事の職務に専念するよう求めている。
日本経済新聞は、都議会公明党が25日、小池知事が実質的に率いる「都民ファーストの会」との連携を解消する検討に入ったと伝えた。
22日の都知事としてので新党への関与の意向について質問された小池氏は、明言は避けたものの「知事であり、かつ国政に関与しておられる例は他にもある」と、前向きな回答をしていた。
安倍晋三首相は28日に招集される臨時国会の冒頭で衆議院を解散、それに先立って午後6時から記者会見でその方針を発表する見通しとなっている。