自分が演じるべきではなかった――。
アメリカの人気テレビシリーズ「glee/グリー」でアーティ・エイブラムスを演じた俳優のケヴィン・マクヘイルさんが、今後同じ役はやらないと話した。
gleeは2009年にFOXで放送を開始したミュージカルドラマで、アーティは車椅子に乗っている高校生として、シーズン1から登場した。しかし、演じたマクヘイルさん自身は、車椅子を使用していない。
同シリーズは2015年に放送を終了したが、クリエイターのライアン・マーフィーさんは11月、マクヘイルさんと、ティナ・コーエン=チャンを演じたジェナ・アシュコウィッツさんのポッドキャストに出演し、新作を作る可能性もあると明かした。
しかしその新作に、アーティの姿はなさそうだ。
マクヘイルさんはインサイダーのインタビューで新作について尋ねられ「アーティがいるかどうかわかりません」と答えた。
「今、私たちが知っていることを考えると、自分が車椅子の登場人物を演じるべきではないと思います」
アーティ役のキャスティングについては、これまでも障害のある俳優の間で議論が起きていた。
俳優のロバート・デヴィッド・ホールさんは「障害のある俳優の起用で制作遅延の訴訟が起きるとか、視聴者が不快に感じるのでは、といった懸念が(制作側に)あったのではないか」と2009年にAP通信に語っている。
ホールさんは「私は30年間俳優をしていて、2本の義足で歩いています」と述べ、そうした懸念は馬鹿げているという考えを示している。
「障害のある登場人物は、実際に障害のある俳優が演じるべきだ」という声は近年ますます高まっている。
マクヘイルさんは、2019年にアシュコウィッツさんと出演したポッドキャストでも、「きちんと理解していなかった」と振り返っている。
「今ではあり得ません」「自分たちの理解不足の中で、なんとか撮影しましたが、何を考えていたんだろうと思います」
その一方で、マクヘイルさんは、新作が実現した場合、出演そのものを否定しているわけではないようだ。
「ひげを伸ばした別の役であれば、出演します」とインサイダーに語っている。
ハフポストUS版の記事を翻訳しました。