第2期の制作が発表された大人気アニメ「けものフレンズ」で、声優オーディションの募集要項が波紋を広げている。
応募の課題として示された台本について、自分がブログで書いた文章が無断でそのまま使われている、という抗議の声がネットで上がったからだ。
ハフポスト編集部で確認したところ、示された台本とブログの文章はほとんどが一致していた。いずれも女性役向けの30秒程度のボイスサンプル原稿だった。
このブログ記事の日付は2017年11月15日となっていて、オーディション情報が出る前の、遅くとも2018年8月11日には存在したことが、Googleのキャッシュで確認できた。
この人物は、台本の著作権を放棄していないことを強調し、「悲しい」とツイートしている。
オーディション公式サイトから原稿が削除に
問題となった原稿は現在、オーディション公式サイトからダウンロードできなくなっている。
指摘された原稿は、このオーディションとは関連のない、声優志望者を支援するブログ上に掲載している文章と一致していた。
原稿は3つに分かれており、①高校生活にあきあきしていた生徒の頭上に、何かが落ちてくる話②好きな男性が結婚してしまい、悲しみながらも祝福する話③お屋敷から森に出て暮らしはじめた人の話、となっていた。
このブログには、台本はすべてブログの執筆者がオリジナルで作ったものと明記され、自主練習や個人的な発表のためなど、「私的な用途では、無料で自由にお使い頂けます」となっている。
だが、
- コピーして、自作原稿と受け取られるような形でブログやサイトに貼るなどして盗用する。
- 事務所ホームページに掲載されるボイスサンプルに使用するなど、原稿の作者が誰であるかを明記せずに、誰もが閲覧・視聴できる状態にする。
ことについては禁じており、もし使う場合は、原作者の名前を明記するようにと書かれていた。
オーディション台本には、誰が書いたものかは記されていなかった。オーディションを管理するAge Global Networksの担当者は「発表後に、無断転載ではないかというご指摘をいただき、現在経緯などを確認しています」と話した。
ハフポスト編集部では、ブログの筆者にも取材を申し込んでいる。連絡がつき次第、記事に追記する。
けもフレとは
「けものフレンズ」とは、「アニマルガール」と呼ばれる、少女化された野生動物たちが集まる架空の動物園「ジャパリパーク」が舞台の作品。2015年にスマートフォン用ゲームアプリが始まり、その後、漫画化。2017年1~3月にはテレビアニメ化され、爆発的な人気を博した。
アニメの放送後には、東武動物公園(埼玉県)で飼育されていたフンボルトペンギンのグレープ君が、けもフレに出てくるペンギンのキャラクター「フルル」のパネルに恋をしてしまったことでも話題を呼んだ。
声優ユニットも人気の原動力に
けもフレは、アニメ単体だけでなく、役を担当した声優によるユニット「どうぶつビスケッツ」なども注目を集めた。また、ペンギンのキャラクター声優を集めた「PPP」というアイドルユニットも結成され、この二つを合わせたユニットが、第12回声優アワードで歌唱賞を受賞している。
新規オーディションでは、16~20歳の女性を募集。これまでの声優ユニットに続くオーディションではあるものの、募集欄には、身長、体重や、家族の職歴、スリーサイズを聞く欄があることも物議を醸している。