ユニクロが現代アーティストのKAWS(カウズ)さんとコラボレーションして販売した限定Tシャツを巡って、中国の店舗で開店と同時に多くの客が殺到した。シャツを奪い合う様子などを撮影した動画が話題になり、背景には中国の「転売屋」の存在も指摘されている。
■門くぐり抜け、喧嘩も
中国中央テレビなどによると、現地でTシャツが発売されたのは6月3日。午前0時にネットで販売が開始されるも、1分後には全て売り切れに。「確保」に失敗した人たちが実店舗に押し寄せた。
現地メディア未来網がアップロードした動画に、その時の様子が映し出されている。
開店同時に大量の客が走り出し、シャッターが開ききる前に下からくぐり抜けている。すぐにTシャツを掴む人もいれば、マネキンからシャツを剥がす姿も見られる。
さらに、シャツを巡って取っ組み合いの喧嘩も起こっていた。
■奪い合いになった商品は
販売されたのは、ニューヨークを拠点に活動する現代アーティスト・KAWSさんとのコラボTシャツ。特徴でもある「XX」の形をした目のデザインが施されている。
「KAWS:SUMMER」と銘打たれ、本人のインスタグラムでも発表されていた。
■なぜ奪い合いになったのか
なぜ争奪戦がここまで過熱化したのか。現地メディアなどが考察している。
このうち、21世紀経済報道によると、ユニクロとKAWSさんはこれまでにもコラボ商品を送り出してきたが、本人が今回で最後だと発表し、希少価値が高まったことが原因の一つと見られるという。
さらに考えられるのが転売だ。日本ではフリマアプリなどで転売することで利益を得る人の事をネットでは「転売ヤー」と呼ぶが、中国では「黄牛」がこれにあたる。
報道によると、Tシャツは現地のショッピングサイトで定価の99元よりも倍以上高い200〜300元(約3300円〜5000円)で販売されているという。
中国中央テレビでは今回の騒動について「販売数が限定されたことも争奪戦の原因と言える。参加する人の一部は本当のファンだろうが、ブームに盲目的に追従する人もいる」と評している。