アメリカの人気オーディション番組「アメリカン・アイドル」に出演した19歳の青年が、審査員をつとめていた歌手のケイティ・ペリーに半ば、"だまし討ち"にあう形でキスされた。SNSでは、キスをしたケイティ・ペリーへの批判の声があがっている。
この日、オーディションに登場したオクラホマ州出身の青年は、自己紹介のくだりで、審査員のひとりであるルーク・ブラウンから「女の子にキスをしたことはある?」と尋ねられた。ケイティの代表曲のタイトルに引っ掛けた質問だった。
彼が「(これまで誰かとキスをしたことは)ありません。これまでに女性と交際をしたことがないし、交際もしてない女性とはキスできないし」と応じると、3人の審査員は仰天。ケイティは立ち上がり「本当に?ちょっとこちらに来て、いいから来て」と何度も呼びかけた。
「そういうことはしたくない、本当にダメです」とキスを嫌がる彼だったが、盛り上がる審査員の呼びかけを拒否しきれなかった。彼は、カメラの方に助けを求めるような一瞥をくれながら、ケイティの頬にキスをする事態に。
これで終わりかと思いきや、さらなる悲劇が彼を襲う。
ケイティに「ちゃんとチュッとして」と再び頬にキスすることを求められた彼は、おずおずケイティの顔に近づいた。すると、半ば"だまし討ち"のような形で、ケイティが唇にキスをしたのだ。
驚いて腰を抜かす彼を尻目に、審査員の3人は、「キスした?」「したした!」「やったぞ」とハイタッチで喜びあった。
この様子が番宣で放送されると、SNS上ではケイティへの非難が相次いだ。
ただでさえ嫌がる人にキスをするのは暴力的だが、セクハラ告発の「MeTooムーブメント」を通じて社会が変わろうとしている中でなぜこんなことができるんだ、という怒りの声が続出。
放送後、青年はNewYorkTimesの電話取材に対し「ファーストキスは特別なものとして、最初に付き合う子にとっておきたかった」と話した。
「(ケイティ・ペリーにキスをされて)やったぜ!と盛り上がる子たちがいるのもわかっていますが、自分は保守的な家庭に育ったこともありますし、かなり戸惑いました」
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ちなみにオーディションは、3人の審査員全員が「落選」を言い渡す結果に。
ケイティ・ペリーは講評の中で「少し焦りが見えた。私があなたの心拍数をあげてしまったからかもしれないけど」とコメント。
彼はNewYorkTimsに対して、ケイティ・ペリーからのキスをセクハラとは感じていないのだと話した。むしろ、1億人のフォロワーがいるケイティ・ペリーが自分のことをツイートしてくれて感謝しているという。
"ミュージシャンの卵"の彼の本心がどうであれ、SNSでは引き続き賛否両論が飛び交っている。
(編集部注)青年はテレビ収録時には19歳でしたが、放送時は20歳です。