中日ドラゴンズは5月11日、笠原祥太郎投手が病院の精密検査を受け、発作性上室性頻拍と診断されたことを明らかにした。
検査後にカテーテルアブレーション治療をし、試合復帰まで1カ月ほどかかる見込みだと、日刊スポーツなどが報じている。
笠原投手は、不整脈の症状を訴え4月27日に予定していた登板を回避していたが、原因が特定され、球団代表は「完治したと聞いている」とサンケイスポーツの取材に話している。
発作性上室性頻拍とは
笠原投手が診断された発作性上室性頻拍とは、どんな病気なのか。
日本不整脈心電学会の公式サイトによると、脈の打ち方が乱れる「不整脈」の代表的な例と言われている。突然脈拍が速くなり、動悸を感じる症状が出るという。個人差はあるが、血圧が下がり、ふらつきやめまいを感じることもある。
千葉大学院医学研究院の公式サイトによると、心拍数は1分間に150〜250回程度と通常より速くなるという。
こうした脈拍数の増加や動悸は突然生じて、しばらく続いた後、突然動悸が止まるという特徴もある。繰り返し症状が現れる場合は、治療の必要がある。
症状が出た時、自分でできることは
病状の特定するには、症状が出た時の心電図による診断が有効とされているが、症状は突然生じて、突然止まることがある。そのため日本不整脈心電学会は、自分でできることで、診断の助けとなる「検脈」について紹介している。
検脈は、利き手の人差し指と中指で反対側の手首の脈拍を触れ、1分間に何回拍動するか数える方法だ。
発作性上室性頻拍の場合は、規則正しくやや弱い脈拍が、1分間に140〜180回程度数えられることが典型的だという。
また簡単な処置として、息をこらえたり、冷たい水を飲んだりすることで、発作を止められる場合もあるという。