厚生労働省は10月6日、2017年版の「過労死等防止対策白書」を発表した。2016年度に認定された過労死・過労自殺(未遂を含む)の件数は191件だった。
191件の内訳は、脳・心臓疾患による死亡が107件、精神障害による自殺(未遂を含む)が84件だった。
白書では、過去5年間の過労自殺の事例について分析している。2010年1月〜15年3月に精神疾患で労災認定された人のうち、計368人(男性352人、女性16人)が過労自殺していた。年代別では、男性では40代、女性では29歳以下が最も多かった。
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過労自殺が多い男性について業種別にみると、従業員100万人当たりの自殺者数は法律事務所や経営コンサルタントといった「学術研究、専門・技術サービス業」が4.7人で最も多く、「情報通信業」の3.9人が続いた。
長時間労働
「1週間の就業時間が60時間以上の雇用者の割合」は減少傾向にあるが、会社の規模が小さいほどその割合が高いことがわかった。
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また、1週間の就業時間が60時間以上の雇用者の割合が多い上位3業種は、運輸・郵便業、教育・学習支援業、建設業となっていた。
今回の過労死白書では、広告代理店「電通」の新入社員、高橋まつりさん(当時24)の過労自殺についても触れている。事件を受けて、政府として「過労死等ゼロ」緊急対策を策定し、従業員に長時間労働をさせている企業に対する指導を強化するなどの取り組みを始めたことも記載している。
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