インターネット利用時間、過去10年でこんなに増えた!現代人の「いつも」に寄り添い「勝手に成果を出す」花王の施策とは?

この春に発売される「めぐりズム 貼る炭酸シリーズ」と「ピュオーラ 炭酸ハミガキ」について、その開発背景や特徴、今後の展望を聞いた。

コロナ禍や加速する高齢化などにより、健康意識が高まっている現代。

インターネットの普及で情報へのアクセスが容易な時代である一方、情報量の多さから正しい情報にたどり着けなかったり、忙しさのあまり、生活習慣の改善や健康意識の優先順位がつい下がりがちな人は多いのではないだろうか。

花王はこの春、そうした生活者の暮らしに寄り添う新たな一手として、炭酸を用いた2つの新商品の発売を発表。

3月上旬に開かれた商品説明会で、開発の背景や製品の特徴、今後の展望などを聞いた。

過去10年でインターネット利用時間が2.3倍に?

めぐりズム 貼る炭酸シリーズ
めぐりズム 貼る炭酸シリーズ
花王

新たに発売されたのは「めぐりズム 貼る炭酸シリーズ」と「ピュオーラ 炭酸ハミガキ」の2商品(非医療機器)

2005年に蒸気温熱による「血めぐり」の改善をサポートするヘルスケアブランドとして誕生した「めぐりズム」は、時代に応じて多様なヘルスケア価値を提案してきた。現在では「蒸気でホットアイマスク」(2007年発売)や「蒸気の温熱シート」(2009年発売)など、豊富なバリエーションを展開しており、2024年には現代人の疲れ目に着目した「めぐりズム メディカルアイケアマスク」を発売した。

新たに発表された「めぐりズム 貼る炭酸シリーズ」は、額と首に貼るタイプ「HEAD&NECK」と、ふくらはぎに貼るタイプ「FOOT」の2種類を展開している。

同社パーソナルヘルス事業部ブランドマネジャーの仲田実沙希さんは、「HEAD&NECK」は情報過多時代を加味した新たなヘルスケア価値の提案の形だと話す。

花王 パーソナルヘルス事業部ブランドマネジャーの仲田実沙希さん
花王 パーソナルヘルス事業部ブランドマネジャーの仲田実沙希さん
花王

総務省の調査では、1日あたりのインターネットの平均利用時間がこの10年で83分(2024年)から194分(2024年)に増加している。仲田さんは「情報過多がデフォルトの時代、『頭疲れ感』により、特に集中力の低下が深刻化しています。しかし、『頭疲れ感』に悩む人の約4割は対処法がわからないでいる」と現状について説明する。

同社は1980年代初頭から炭酸研究を続けており、その技術を活かした商品を気軽に使ってもらうことで、仕事や勉強の「モヤモヤ時間」に爽快感を提供したいという。同社によると、「貼る炭酸シリーズ」は炭酸を含むジェルパックとしては日本で唯一の商品で(2025年3月時点)、1枚あたり1000ppm以上の炭酸を含み、「「HEAD&NECK」タイプの持続時間は約3時間だという。

一方の「FOOT」タイプはたくさん歩いた後の足にも爽快感を与える製品で、動いてもはがれにくい仕様。爽快感は約6時間続くという。

※「めぐりズム 貼る炭酸ジェルパック HEAD&NECK」発売日は3月29日、「めぐりズム 貼る炭酸ジェルパック FOOT」は2025年2月24日以降「めぐりズム 炭酸でやわらか足パック」と順次切り替えしている。

飽和するオーラルケア市場で今、求められる製品とは?

ピュオーラ 炭酸ハミガキ
ピュオーラ 炭酸ハミガキ
花王

続いて、同社パーソナルヘルス事業部ブランドマネジャーの鈴木裕之さんが登壇し、「ピュオーラ 炭酸ハミガキ」について紹介した。

鈴木さんは同社のオーラルケア事業の主軸に「がんばらなくても勝手に成果が出る『気が利く機能性』」を設定した背景として、現代のオーラルケアを取り巻く環境変化について説した。

オーラルケアへの意識は年々向上傾向にあり、年1回以上、歯科検診を受診している人の割合は20年前の2倍超にもなっている(同社調べ)。さらに今後、政府が2025年度の導入を目指す「国民皆歯科検診」で、受診率はより向上する見込みだ。

こうした現状を受けて、オーラルケア市場は「歯周病」「歯ぐき」「むし歯」「美白」など、対応する症状の細分化により多様な提案をしてきたが、そうした施策もすでに頭打ち状態にある。

花王 パーソナルヘルス事業部ブランドマネジャー鈴木裕之さん
花王 パーソナルヘルス事業部ブランドマネジャー鈴木裕之さん
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そこで同社は、生活者の役に立つオーラルケアを追求するため、全国1万人を対象に調査を実施。歯科が推奨する「正しい歯磨き」を実践できているという認識の人は全体のわずか9%、さらに考え事をしたり、スマホを操作したりしながらの「ながら磨き」をしている人の割合は全体の70%を占めることがわかった。

しかし、一企業が歯科の推奨する「正しい歯磨き」を生活者一人ひとりが実践できる状態をつくることは、あまり現実的ではない。そこで同社は「がんばらなくても、いつもの磨き方で勝手にうまくいく」歯磨きを提案。その新たな取り組みの一手として発表されたのが「ピュオーラ 炭酸ハミガキ」だ。

歯周ポケットの磨き残しに着目し、重曹(炭酸水素ナトリウム)とクエン酸が水や唾液と反応して炭酸泡を発生させ、その泡が歯と歯の隙間に入り込み「勝手に気の利く機能性」を実現するという。

水の入ったビーカーにこの製品を塗布した歯ブラシを入れてかき回してみると、従来品よりも格段に多くの泡が立つ様子が見てとれた。

※「ピュオーラ炭酸ハミガキ」発売日は4月5日

仲田実沙希さん(左)と鈴木裕之さん(右)
仲田実沙希さん(左)と鈴木裕之さん(右)
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発表を通じて、同社は「時代と共に変化する生活者の実態に向き合い、機能性に富んだ新しい価値を提案してまいります」とコメントを発表している。

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