第2次岸田第2次改造内閣が9月13日、正式に発足した。
官房長官に留任された松野博一氏が閣僚名簿を発表。19の閣僚ポストのうち、女性は5人だった。
これを受け、女性閣僚5人は「過去最多」という報道も飛び交ったが、第1次小泉内閣(2001年)、第2次安倍改造内閣(14年)も5人だった。
そして、赤じゅうたんが敷かれた階段で撮影するお決まりの記念写真を確認すると、そこには22年前から変わらない光景があった。
2001年4月
まずは第1次小泉内閣だ。2001年4月に成立した。
法務大臣に森山真弓氏、外務大臣に田中真紀子氏、文部科学大臣に遠山敦子氏、国土交通大臣に扇千景氏、環境大臣に川口順子氏となっている。
今から22年前の写真だが、やはり男性が多い。
2014年9月
次は、第2次安倍改造内閣。発足は2014年9月だ。
総務大臣に高市早苗氏、内閣府特命担当大臣(防災)に山谷えり子氏、同(少子化対策など)に有村治子氏、経済産業大臣に小渕優子氏、法務大臣に松島みどり氏がそれぞれ就任した。
こちらの記念写真も安倍晋三元首相の周りを女性が囲み、さらにそれを男性閣僚が囲む配置となっている。
2023年9月
そして、9月13日に発足した第2次岸田第2次改造内閣。
外務大臣に上川陽子氏、復興大臣に土屋品子氏、内閣府特命担当大臣(少子化対策)に加藤鮎子氏、同(経済安全保障)に高市早苗氏、同(地方創生)に自見はなこ氏が選ばれた。
2001年の第1次小泉内閣、14年の第2次安倍改造内閣の記念写真と見比べみていかがだろうか。圧倒的なジェンダー不平等を解消したといえるだろうか。
実際、加藤氏は9月13日、国会内で記者団の取材に応じ、過去最多タイの女性5人が閣僚に内定したことについて、「まだ少ない」との認識を示したという。
「女性ならではの」に批判も
岸田文雄首相は9月13日、記者会見を開き、内閣改造を行ったことを報告。
冒頭、「新しい時代を国民の皆様と共に創っていく『新時代共創内閣』である。この2年間は、正に国民の声を丁寧に聴き、国民の皆様と協力しながら新しい時代の扉を開いていく、そうした取組を進める毎日でした」と話した。
新型コロナウイルスやロシアによるウクライナ侵攻、経済政策などについて語った後、一部の女性閣僚についてはこう紹介した。
「こども・子育て政策や女性活躍は、こども・子育ての当事者でもある加藤鮎子さんに担当してもらいます」
「土屋品子復興大臣には、女性ならではの視点を最大限にいかし、被災地に寄り添った復興策に腕を振るってもらいます」
また、質疑応答で記者に「女性閣僚では過去最多に並ぶ5人を起用された。どういった考えでこれを実現されたのか」と問われると、岸田首相はこう返した。
「女性閣僚を多く登用したことについての質問でありますが、あくまでもこうした人事は適材適所であると思っています」
「それぞれの皆様方に、女性としての、女性ならではの感性や、あるいは共感力、こうしたものも十分発揮していただきながら仕事をしていただくことを期待したいと思っています」
この「女性として」「女性ならでは」という発言については、SNS上でも批判が集中。
『失敗しないジェンダー表現ガイドブック』によると、「女性ならでは」という言葉は、「女性ならできて当然」というステレオタイプを助長する表現になり得る、と指摘している。