国や大阪府から補助金を騙し取ったとして、詐欺などの罪で起訴された学校法人「森友学園」の前理事長・籠池泰典被告(65)と妻の諄子被告(61)が5月25日、保釈された。
籠池夫妻は25日午後8時から記者会見した。会見で泰典被告は、およそ10カ月に及んだ勾留を「国策」と非難。その一方で、今朝考えたという俳句を披露したり、すすりなく妻の諄子被告を「大丈夫?冤罪や」と慰める場面も見せた。
会見の冒頭、泰典被告が語った言葉を紹介する。
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■体力も弱って、足腰がどうも立たなくなって...
はい、みなさんこんばんは。お久しぶりでございます。ようこそお越しいただきまして、ありがとうございます。
いまも(司会の)先生の方から仰っていただきましたけれども、長い10カ月(拘置所に)入っておりましたんで、非常に体力も弱っております。足腰がどうも立たなくなって。大変なもんやな、いう風に思います。
それでいて、しっかりと今も発声ができておりますので、この声をもって皆さん方にちょっとお話しさせていただきたいと思います。
ちょっと座らせていただきます。よろしいですか。
私の方から、まず箇条書きにしておりましたものを読み上げさせていただきます。申し訳ない。
■「これは、国策拘留であると認識」
まず、財務省の問題で拘留され、まあこれは「国策拘留」であると私は認識しております。
妻の、家内につきましては、全くの冤罪でありまして。まさに人権蹂躙の状況で、長く拘留されておったという風に認識いたしてます。大変な事やと思ってます。
またもう一つ、大阪府の私、そして家内に対する告訴につきましては、これはどうも検察と相談、示し合わせたものであって、どうも松井(一郎大阪府知事が率いる)「維新の党」の政治的カモフラージュの問題ではなかろうかなという風に思っております。
それは、詐欺罪で私方を逮捕して、そして国民・府民の目を欺いた。どこに一番の元凶があったんだということが、全て隠されてしまったという風に思っております。
そして、要は財務省の国有地の問題も、そして我々が豊中(市)の土地に建設を始めましたのも、何から先に起こってきたかというと、私学審議会におけるところの認可適当が始まった。そこを欠落してしまってはいかん。そこが大きなポイントであろうという風に認識いたしております。
また、私がしっかりと、まあ初めてであり、もうこれで最終だと思うんですけども、国会における証人喚問について、しっかりと私は答えさせていただきましたので。これは何にも、私の方では虚言はございませんので、そのことはお伝えしておきたいという風に思っています。
■「私はこれから、色々活躍をさせていただくつもり」
ああ、そうか。皆さん方にお伝えをいたします前に、瑞穂の国記念小學院に入学をされようとしていただいた方に対して「こちらの方からお詫びを申し上げとかないかんな」という風に思っております。
もう、一年も前のことですけども、バタバタバタバタしていた中で、私の方から正式に入学希望者の方にはお詫びを申し上げておりませんでした。
もう一つ。瑞穂の国(記念)小學院に対しての寄付をいただいた方にも、学校が開校できなかったということについてのお詫びも申し上げておりませんでしたので、この席をお借りしてお詫びを申し上げたいと思っています。
また、拘留を10ヶ月、ちょうど300日になりますけども。しておりました間、色々な方々から書籍、そして衣服、そして飲み物、食べ物につきまして、差し入れをいただきました。全国津々浦々の方から頂いたこと、これを本当にお礼を申し上げます。
また今日は拘置所から出ました時に手紙を頂きましたけども、手紙をいただいておった方についても、今日初めて拝見いたしましたので、その百数十通を超える手紙をいただいた方々にも、またこの場をお借りしまして御礼を申し上げたいと思っております。
私はこれから、色々活躍をさせていただくつもりでおりますけども、小学校の建設については未だ諦めてはおりません。それは認可を取り下げました時にもお話ししたつもりでありますが、決して諦めてはおりません。
しかも、私の心としては吉田松陰先生の志をもって、これからも心を心として進ませていただこうと言う風に思っております。
さらに、これはこの会見の場でお話しても良いことだと思いますが、天皇陛下、今上陛下は憲法第9条を改正しようとは思ってらっしゃらないという風に認識いたしております。
私は天皇国日本のもとに、教育をさせていただいておりますから、今上天皇陛下がしっかりと憲法第9条については、(改正)反対とまでおっしゃってませんけど、積極的に(改正)賛成だということはおっしゃってませんので、今上陛下が危惧されてることにつきましては、されない方がよろしかろう。これは思っております。
■俳句を披露、妻を慰める場面も
今日の朝、考えておりますと、ちょっと句が出てまいりました。
「早朝の 志を得る 初夏の風」
「早朝の 志を得る 初夏の風」(※繰り返し)
そういう風な句が出ておりましたので、これもお伝え申し上げたいと思ってます。
そして、もう少しまとめをさせて頂きますので、文書にいたしておりますので、それを読み上げさせていただきます。
(隣に座る諄子被告がすすり泣く)
(泰典被告、諄子被告に)大丈夫? よう頑張って。冤罪や。
冤罪で、こういう女性を、いたずらに苦しめるということを、国家がしてるということは非常に問題であります。
■一連の騒動について、「現時点では詳細は控える」
では、今から保釈にあたっての言葉を申し上げます。
一連の事件や騒動により、多大なご心配ご迷惑をおかけした皆様。とりわけ塚本幼稚園、肇國(ちょうこく)舎の園児、及び保護者の皆様、多くの卒業生の皆様、教職員の皆様、ご支援くださいました皆様方には心より深くお詫び申し上げます。申し訳ありませんでした。
また、私ども物心両面で支えてくださった皆様方に、厚く御礼を申し上げます。
現時点では詳細を、私ども夫婦が訴追されている案件につきましては、未だ公判の準備中であることから、現時点では詳細をお話しすることは控えたいと存じます。
吉田松陰先生の心境で、粛々と裁判に向き合って参りたいと思います。
国会では、国有地売買の経緯、小学校設置・認可の経緯などを巡って、激しい論争が続いてろうようでありますが、10カ月間社会から隔絶され、多くの情報が遮断された状態で過ごしておりましたので、現在の状況を把握しかねております。
不確かな認識でお話したことが一人歩きするようでは、これから、ようやく再生の一歩を歩み出した、新たな学校法人森友学園、関係者の皆様にご迷惑をおかけすることにもなりかねません。
従いまして本日の時点では、これらの点についても、具体的なコメントは差し控えさせていただきたいという風に考えております。
平成30年 2018年 5月25日 籠池泰典・諄子
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朝日新聞デジタルによると、会見場には開始時刻の4時間前から次々と報道陣が集結。午後7時20分ごろには記者やカメラマンらが100人を超え、注目の高さがうかがえた。