ジョージ・フロイドさんが警官に首を押さえつけられ亡くなった事件への抗議活動は、アメリカだけではなく世界各国で起きている。
カナダでは、ジャスティン・トルドー首相が6月5日に開かれたデモに参加。ひざまずいて「Black Lives Matter(黒人の命は大切だ)」に団結する意思を示した。
カナダのテレビ局CTVによると、トルドー首相は国会議事堂のあるパーラメント・ヒルで開催されたデモに参加した。
この日の早い時間に、首相はデモへ参加するかどうかを聞かれていたが、その時には解答を避けていた。
しかし午後に行われたデモに、首相は黒いマスクをつけて合流。一緒に参加した閣僚のアハメッド・フッセン氏らとともに、途中で路上にひざまずいて人種差別に抗議する姿勢を示した。
ひざまずいている間、首相は人種差別反対を訴える力強いスピーチに頷き、拍手もした。
Black Lives Matterムーブメントには、スポーツ選手やアーティストなど多くの著名人が賛同しているが、国のリーダーでデモに参加している人は、今の所ほとんどいない。
Black Lives Matterが生まれたアメリカでは、トランプ大統領がデモ鎮圧のために軍の出動も辞さないと発言している。
トルドー首相は6月2日にこの発言について聞かれた際に、20秒以上沈黙。その後、「私たち皆、恐怖と驚愕を持ってアメリカで起きていることを見ています」と述べた。
そして、「今は人々を一致団結させる時だと思います。人々の声に耳を傾け、そして社会でどういった不正義が続いているのかを学ぶべき時です」とコメントした。
一方トルドー首相は2019年、約20年前の教師時代に顔を茶色に塗る仮装をした時の写真がTIMEに掲載され、批判を受けた。
写真は「アラビアンナイト」をテーマにしたイベントで、トルドー首相はアラジンの仮装をしていた。
首相はこの写真について「人種差別的だった」と謝罪。「深く悔やんでおり、心からお詫びします。当時これが人種差別的なことだという認識がありませんでした。だけど今ならわかります。私がやったことは、とても人種差別的な行為でした」と過去の過ちを認めていた。