日本労働組合総連合会は5月28日、職場や就職活動中に受けるセクハラなどのハラスメント被害について、アンケート結果を発表した。
調査の結果、20歳〜59歳の有効サンプル1000人のうち、38%が「職場でハラスメントを受けたことがある」と回答。また、就活経験のある835人のうち、10.5%が「セクハラを受けたことがある」と答えた。
就活セクハラ、20代男性の被害が最多 女性は「身体への接触」などより深刻な被害
男女・世代別に見ると、就活中にセクハラを受けたことがある割合は20代男性が21.1%と最も高かった。
被害内容を見ると、「性的な冗談やからかい」を受けた人が30.4%、「性的な事実関係 (性体験など)の質問」をされた人が43.5%など、性的なことを話題にされたというケースが多い。
次いで被害が多かったのは、30代女性で15.5%。20代女性は12.5%だった。
20代男性より低い数値だが、被害内容を見ると、女性の場合は「食事やデートへの執拗な誘い」(20代女性で30.8%)や「必要ない身体への接触」(20代女性で23.1%)など、立場を利用して個人的な関係を持とうと誘ってきたり、身体に触れてきたりする被害が多い。
連合の総合男女・雇用平等局担当者は、「対象者の数が少ないためあくまで参考と捉えてほしいが、『男性なら言っても大丈夫』という意識があるのでは。女性の場合は、直接的な関係を迫られるなど、より深刻なセクハラ被害が多くなっています」と話す。
ハラスメント規制法案が成立
職場でのハラスメント対策をめぐっては、5月29日の参院本会議で、企業にパワハラ防止策を義務付ける女性活躍・ハラスメント規制法案が可決、成立した。
就活中の学生やフリーランスの労働者へのセクハラ対策についても付帯決議され、男女雇用機会均等法等に基づく指針等で、必要な対策を講ずるよう求める。