上半期の評価時期を迎える10月、人事評価を気にしているビジネスパーソンも多いのではないだろうか。
転職サービス「doda」などを提供するパーソルキャリアが運営する調査機関「Job総研」は、「はたらく現場での疑問」を収集する「Job weeQ」を実施。人事評価に関するQ&Aを募集した。
寄せられた731件の投稿の中で、特に注目を集めたのが「評価が不利な時の上司へのアピール方法」に関する質問投稿だ。その内容を一部抜粋して紹介する。
【調査概要】
参加対象者:現在職を持つすべての社会人
JobQ Town(ジョブキュータウン)登録者
調査条件 :全国/男女/20〜50代
実施期間 :2024年9月13日〜9月30日
総投稿数 :731件
調査方法 :インターネット調査
最も共感された人事評価の悩みは?
【人事評価に関する上位のQ&A】
1位:仕事の数値化が難しい業務は人事評価で不利に感じる?どうやってアピールしますか?
2位:上長との関係で大きく変動することに納得できますか? 改善には何が効果的?
3位:同じ役職でも人によって仕事量が違うことに皆さんは納得できますか?
最も多くの回答が寄せられた上位の質問のテーマは「数値化が難しい業務は評価で不利に感じること」が 38.3%(135件)で最多、 次いで「上司との関係で評価が変動すること」が 35.2%、「同じ役職なのに人によって仕事量が違うこと」が 26.5%という結果になった。
1位の「仕事の数値化が難しい業務は人事評価で不利に感じる?どうやってアピールしますか?」に対する回答の傾向は、大きく「別指標を持つ」「日頃の準備」「アプローチ方法を変える」の3つに分類された。
人事評価は会社ごとに制度が設けられているが、一定配属先や上司の評価方法によって左右される側面もある。評価をする側・受ける側の双方がより鮮明な評価設定を行ったり、それに伴う面談を実施できる環境を整えたりすることで、評価のギャップも埋まり、個人の納得度も改善されそうだ。
上長との関係で変動する評価、納得できる?
次いで「上長との関係で大きく変動することに納得できる?改善策は?」という問いが2番目に注目を集め、合計130件の回答が集まった。
この不満に対する改善策の傾向は、大きく「上司を理解する」「割り切ったコミュニケーションを取る」「成果を出す」「評価の仕組みを変える」「環境を変える」の5つに分類された。
1位と同様、人が評価をしている以上「好き嫌い」が影響してしまう可能性は否めないという回答が多く集まり、その上でコミュニケーションを工夫する手段が多く取られていることがわかった。
また、個人でコントロールができない上司との関係値を気にするよりも、成果を上げることを重視したり、転職や部署異動を通して自身が納得する環境に身を置いたりするなどの対策を取る傾向も見られた。
しかし個人の諦め意識や転職は、モチベーション低下による生産性の低下や離職率に繋がるため、360度評価やAI評価の導入をはじめとした、評価の仕組み自体の改善を求める声も少なくない。多様な評価方法を取り入れるか否かで、企業の未来は大きく左右されるのかもしれない。