【神宮外苑再開発】計画に賛成か反対か?シールアンケートの結果は

いちょう並木の紅葉が始まり多くの人が訪れた神宮外苑で、市民らがシールアンケートを実施しました
神宮外苑再開発の見直しを求める市民が、11月25、26日の週末に賛否を尋ねるシールアンケートをいちょう並木で実施した(2023年11月26日撮影)
神宮外苑再開発の見直しを求める市民が、11月25、26日の週末に賛否を尋ねるシールアンケートをいちょう並木で実施した(2023年11月26日撮影)
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いちょう並木の紅葉が始まった東京・明治神宮外苑で11月25日と26日、市民が再開発の是非を問うシールアンケートを実施した。

神宮外苑では、神宮球場と秩父宮ラグビー場の場所を入れ替えて建て替え、高層ビルや宿泊施設を建築する再開発計画が進められている。

再開発では700本以上の高中木や、少なくとも3000本以上の低木が伐採される計画で、神宮外苑はその姿を大きく変えることになる。 

この計画の見直しを求める市民らは、いちょう並木を訪れた人たちにシールアンケートで下記の3点を尋ねた。

(1)再開発計画に賛成か反対か
(2)再開発計画が進められているのを知っていたか
(3)今後、再開発をどのようにすべきだと思うか

アンケートには、25日と26日両日の合計約4時間で200名以上が回答。
「(1)再開発計画に賛成か反対か」の質問では、「反対」が圧倒的多数を占めた。
(左から)「再開発計画に賛成か反対か」に対する、25日と26日の回答
(左から)「再開発計画に賛成か反対か」に対する、25日と26日の回答
また、「(2)再開発計画が進められているのを知っていたか」については、「具体的な内容まで知っている」が半数を占めたものの、「知っていたが計画の内容は知らない」「知らなかった」も5割近くいた。
(左から)「再開発計画が進められているのを知っていたか」についての、25日と26日の回答
(左から)「再開発計画が進められているのを知っていたか」についての、25日と26日の回答
さらに、「(3)今後、再開発をどのようにすべきだと思うか」も、「今のままの計画で進めるべき」は1人で、「一旦中断して慎重に議論すべき」「撤回すべき」を選んだ人が圧倒的多数を占めた。
(左から)「今後、再開発をどのようにすべきだと思うか」についての、25日と26日の回答
(左から)「今後、再開発をどのようにすべきだと思うか」についての、25日と26日の回答
シールアンケートを企画したのは、長年調査会社に勤務していた東京都在住の50代の男性だ。

男性は「シールアンケートは関心がある人が回答する傾向があるため、いわゆる世論調査には当たらないものの、問題の可視化や周知になります。その特性を踏まえた上でも、強い反対の意思を持っている方がたくさんいると実感できました」とハフポスト日本版の取材に答えた。

男性はこれまで、横浜のカジノ計画や原発など様々な社会問題でシールアンケートを実施してきたという。

それらと比較しても、神宮外苑の再開発は積極的に回答してくれる人が非常に多く、関心の高さを感じると述べた。

アンケートに回答する人たち(2023年11月26日)
アンケートに回答する人たち(2023年11月26日)
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「怒っている方がたくさんいらっしゃると感じます。また、内容を知らない方も結構いました。この再開発には、条例を変えて高層ビルを建てられるようにするなど様々な問題が集約されています。内容を知れば、もっと多くの人が反対する可能性もあると思います」

「再開発計画に反対」欄にシールを貼った都内在住の10代の女性は、「ここにビルを建てても意味がないと思います。東京都心には木が少ない。私は自然が好きだから、神宮外苑ではビルではなく、緑を大切にしてほしい」と語った。

黄色く色づき始めた神宮外苑のいちょう並木。アンケートが実施された週末は多くの人たちが訪れた
黄色く色づき始めた神宮外苑のいちょう並木。アンケートが実施された週末は多くの人たちが訪れた
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事業者(三井不動産、伊藤忠商事、明治神宮、日本スポーツ振興センター)は、再開発では4列いちょう並木は守るとしている。

しかし、新設される神宮球場の壁がいちょうの樹幹からわずか6メートルの至近距離に迫る計画になっており、専門家は「球場を近くに作れば工事で根が傷つき、水循環が絶たれ、いちょうが衰退する」と警告している。

また、4列いちょう並木からラグビー場へ向かう道に植えられている18本のいちょうは移植予定で、現在の場所から姿を消す。

4列並木では、一部のいちょうが著しいスピードで衰退していることも確認されている。

25日と26日の両日、神宮外苑には多くの人が訪れて黄色く色づいたいちょう並木を楽しんだものの、衰退が懸念されるいちょう上部は葉がない状態だった。

衰退し、紅葉を迎えることなく葉を落としたいちょう(2023年11月25日撮影)
衰退し、紅葉を迎えることなく葉を落としたいちょう(2023年11月25日撮影)
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専門家は、枯れを食い止めるためにはさまざまな保全策を講じる必要があり、野球場が建設されればいちょう並木は将来的には枯死するだろうと訴えている

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