東京・明治神宮外苑の再開発で、事業者が8月25日に新たに25本の樹木の伐採許可申請を新宿区に提出したことがわかった。
事業者は2月にも樹木の伐採・移植の許可を申請しており、新宿区は許可している。
今回新たに申請された25本の内訳は、すでに始まっている神宮第二球場の解体に伴う24本と聖徳記念絵画館前広場の1本だ。
すべて高中木(3メートル以上の樹木)で、絵画館前広場の1本は、樹木移植に必要な通路を確保するための伐採だという。
事業者は2月の申請では、神宮第二球場と建国記念文庫の森の周辺にある低木(3メートル未満の樹木)2950本、高中木71本の伐採・移植の許可を求め、新宿区が許可した。
新宿区によると、事業者は神宮第二球場の解体スケジュールにあわせて伐採が必要な樹木を順次申請しており、2月の段階で伐採が必要だと判断された樹木に加え、今回新たに25本の伐採許可の申請が提出された。
神宮第二球場エリアは2月の申請でも対象になっていたが、今回初めて絵画館前広場でも伐採の許可申請が出されたことになる。
新宿区によると、申請は通常10日〜2週間程度で許可されるため、8月25日に申請された樹木は9月上旬に許可される可能がある。
伐採は9月に開始
事業者によると、2月に申請された高中木71本のうち、30本の伐採は9月に始まる予定だ(41本は移植予定)。
これまでに伐採された低木の本数については「工事状況については回答できない」とのことだった。
また、8月25日に新宿区に申請した25本の伐採が承認された場合の具体的な開始日については、未定としている。
神宮外苑の再開発とは?
新宮外苑の再開発では、三井不動産、伊藤忠商事、明治神宮、日本スポーツ振興センター(JSC)が主な事業者となり、神宮球場と秩父宮ラグビー場の場所を入れ替えて建て替えるほか、宿泊施設や商業施設、オフィス、広場などを作る予定になっている。
しかし、この再開発に伴う多くの樹木の伐採や、建物の解体や建設に伴うCO2排出、歴史あるスポーツ施設の取り壊し、景観が損なわれるなどの理由から、市民による反対運動が続いている。
見直しを求めるオンライン署名には21万人以上が賛同しており、坂本龍一さんや村上春樹さんらも声をあげている。
また、新宿区が2月に許可した伐採許可申請に対しては、区や周辺地区の住民が7月に区を相手取り、許可取り消しを求める訴訟を起こしている。
【UPDATE 2023/09/01 10:00】
30本の高中木の伐採予定を追記しました。