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東京・明治神宮外苑で6月25日、再開発に抗議するヒューマンチェーン(人間の鎖)のデモが行われた。
神宮外苑は、約100年前に国民の献木や勤労奉仕によって作られた場所で、緑豊かな都心のオアシスになっている。
しかし、再開発では神宮球場と秩父宮ラグビー場の建て替えに加えて、高層ビルを建築し、その過程で大量の樹木が伐採される。
100年かけて作られてきた緑豊かな場所が失われることに、多くの人が懸念を表明しており、見直しを求める署名活動にはこれまでに19万8000人以上が賛同。神宮外苑や東京都庁、事業者の本社前などでのデモも続いている。
神宮外苑でのヒューマンチェーンデモは2度目で、第1回目の4月には建国記念文庫の森を囲った。
25日のデモでは200人以上の市民が工事用の白い壁で覆われている神宮第二球場の周りで手をつなぎ、「もう高層ビルはいらない」「庶民が作った宝、壊しちゃダメ」「東京の歴史と自然を守ろう」などのメッセージを伝えた。
都内の大学で国際政治を学ぶ滝本智丹さんは、「これまで世界的な森林破壊などの環境問題に関心を向けてきたが、自分の身近でも、再開発で樹木が失われるという問題が起きている知り、このまま見過ごすことができないという気持ちから参加した」とハフポスト日本版の取材で答えた。
滝本さんは問題を知るにつれて、情報の不透明さや市民の反対があるにも関わらず工事が着工してしまっていることにも違和感を持つようになったという。
「まずは抗議に参加して、これをきっかけに周りにも広めていけたらなと思っています」
神奈川県在住の井上麻子さんと愛さんの親子は「100年の歴史ある樹木を守りたい」という気持ちから参加した。
麻子さんはクリスチャンで、フランシスコ教皇の「人間は自然に対して独裁者のように振る舞うべきではない」という言葉に共感しているという。「経済優先の中で自然環境が犠牲になり、気候変動が起きて貧しい人がさらに苦しみ、富める人がさらに富むのは問題だと思います」と述べた。
「東京の歴史と自然を守ろう」というプラカードを下げてヒューマンチェーンに参加した娘の愛さんは「自然が大好き、木を切らないで」と訴えた。
また同じ時間にSNSで #神宮外苑伐採始めないで のハッシュタグデモも行われ、「木を切らないで」「市民の声を聞いて」などの声が投稿された。