アメリカ・ワシントンD.C.の連邦議会議事堂で10月18日、ユダヤ人団体がイスラエル・ハマス紛争の停戦を求める抗議活動を実施し、数千人が参加した。
このうち数百人が、国会議事堂のキャノンハウスオフィスビルに座り込み「今すぐ停戦せよ!」と叫んで抗議。これまでに300人近くの逮捕が確認されている。
デモを企画したのは、ユダヤ系人権団体「平和のためのユダヤ人の声(Jewish Voice for Peace)」だ。
同団体によると、デモには数十人のラビ(ユダヤ教の宗教指導者)も参加。参加者は即時停戦のほか、イスラエル軍に包囲されているガザ地区に人道支援物資を搬入させるよう求めた。
NBC4ワシントンによると、キャノンハウスオフィスビルや連邦議事堂への一般人の立ち入りは許可されているものの、建物内でのデモは禁止されている。
ワシントンD.C.の首都警察18日、「私たちはデモ参加者に抗議活動をやめるよう警告したが、従わない者を逮捕した」と、Xに投稿した。
NBC4ワシントンによると、警察は現地時間18日午後6時までに300人近くを逮捕したと公表したものの、人数は増える可能性がある。
また、少なくとも3人が警察官への暴行容疑で起訴されたほか、デモ参加者の一部が、上院外交委員会の公聴会を妨害する姿も見られた。
警察の広報は「逮捕者は出頭命令を出された後、釈放される」とハフポストUS版に説明した。
「平和のためのユダヤ人の声」によると、キャノンハウスオフィスビル内での抗議活動は午後2時半頃から始まり、300人から400人が参加。その多くが「ユダヤ人が今すぐ停戦せよと求めている」と書かれた黒いTシャツを着ていた。
武装組織ハマスが10月7日にイスラエルへの大規模攻撃を仕掛けた後、イスラエル軍はガザ地区に対して空爆などの報復措置を開始。
ワシントンD.C.のデモに参加した作家で活動家のナオミ・クライン氏は、虐殺を傍観してはならないと声明で述べた。
「子どもの頃から、私たちの多くが大量虐殺の暴力を目撃した時には黙って見ていてはいけないと自分に言い聞かせてきました」
「声を上げよ、自分の身を危険にさらせと自らに言い聞かせてきました。私たちの監視の下でこのような恐怖を二度と起こしてはいけないと誓いました」
「その『二度と起こしてはいけないこと』が今、ガザで起きているのです。 私たちは傍観することを拒否します」
「平和のためのユダヤ人の声」は、バイデン大統領に停戦を求めるデモを16日にもホワイトハウス関連施設で実施しており、この時には参加者49人が逮捕された。
イスラエルとハマスの紛争が続く中、アメリカではイスラム教徒やユダヤ人を標的とした嫌がらせや暴力の懸念が高まっている。
ハフポストUS版の記事を翻訳しました。