ハリス氏をミス・ティーンUSAの失敗動画で揶揄。ヴァンス氏の投稿が批判されるも「謝罪はしない」

当時10代だったミス・ティーンUSAの出場者は、失敗を批判されて自殺を考えるまで追い詰められていたことを明かしていますが、ヴァンス氏は謝らない
ペンシルベニア州の選挙集会に参加したヴァンス氏(2024年8月28日)
ペンシルベニア州の選挙集会に参加したヴァンス氏(2024年8月28日)
Jeff Swensen via Getty Images

アメリカ共和党副大統領候補のJ.D.ヴァンス氏が、過去のミスコン出場者の失敗を利用して民主党大統領候補のカマラ・ハリス氏を馬鹿にしたことに対し、批判が起きている。

ミスコン出場者はこの失敗が原因で精神的に追い詰められたと明かしているが、ヴァンス氏は謝罪しないとしている。

ヴァンス氏が投稿した動画

ヴァンス氏は8月29日、「カマラ・ハリスのCNNインタビュー全文を入手しました」というコメントを添えて、2007年にミス・ティーンUSAに出場したケイトリン・アプトン氏の動画を投稿した。

CNNは29日にハリス氏のロングインタビューを放送しており、ヴァンス氏の投稿はその内容を批判するものだったと見られる。

動画に映っているのは、当時10代だったアプトン氏が「一部のアメリカ人は地図上でアメリカを探せないとされるが、なぜか」と尋ねられる場面だ。アプトン氏はうまく答えられず、つじつまの合わない回答をしている。

アプトン氏は後に、この出来事が理由で多くの人たちにバカにされ、自殺を考えたと明かしている。その一方で、ドナルド・トランプ氏が所有するモデル・エージェンシーの目に留まり、契約を結んだ

ヴァンス氏は30日にCNNに出演した際に、アプトン氏が自殺まで考えたことを知っているかと尋ねられる「知らなかった」と主張。「お気の毒です。彼女が今元気にやっていることを祈っています」と述べた。

また「私もカメラが回っている時にバカなことをたくさん言ってきました。世間の注目を浴びていると、失敗することもあります。最善の対処方法は、自分自身や起きてしまった事を笑い飛ばして、政治を楽しむことです」という持論を展開した。

さらに「私が投稿したのは20年前のミームですが、アメリカには食品を変えない人、医療を受けられない人、家を買えない若い家族など、本物の危機が存在している。それにもかかわらず、この問題を取り上げている。再び社会政策を良くするという真面目な問題に取り組みながら、ジョークを言ってはいけないわけではない」と主張した。

「政治は退屈になりすぎています。どうすればアメリカ国民の生活を向上させられるかを真剣に議論しながら、楽しむことだってできるんですよ」

このコメントの後に、CNNの記者が改めて「アプトンさんが自殺を考えたことを知った今、謝罪するか」と尋ねると、ヴァンス氏は否定。

「ジョークを投稿したことを謝罪するつもりはないが、ケイトリンの幸せを祈っています」と述べた。

一方、アプトン氏はヴァンス氏の投稿について「17年経った今も、あの時のことを話題にされるのは残念です」と30日にXに投稿した。

このコメントは後に削除されたものの、アプトン氏は「政治的な信条に関係なく、これだけは言えます。ソーシャルメディアやネット上でのいじめはやめるべきです」とつづっていた。

ヴァンス氏の投稿は、「ミスコンテストのようなものに出場する女性は頭が悪い」という偏見に満ちている。

ハリス氏批判のためにアプトン氏の失敗を馬鹿にし、さらに謝罪を拒否したことに対し、厳しい目が向けられている。

Xには「とても傲慢な態度だ」「自殺を考えた女性を笑い者にするような人は副大統領に相応しくない」「良識のかけらも残っていない」などとコメントが投稿されている。

ハフポストUS版の記事を翻訳・編集しました。

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