子どもを持たない女性を「子なしの猫好き女性」と呼んで批判した共和党副大統領候補J.D.ヴァンス上院議員。
同氏がこの発言と同じ年に「『子どもを持たなくてもいい』という考え方と戦争をしなければならない」と主張していたことにも注目が集まっている。
ヴァンス氏は子育てよりキャリアを選ぶ生き方を批判し、「悲しく孤独で哀れ 」と呼んでいた。
「戦争しなければいけない」と主張
再び注目が集まっているのは、保守系ウェブマガジン「フェデラリスト」の2021年5月のインタビューだ。
ヴァンス氏はこの取材で「少し厳しいことを言えば、私たちはこの国に存在する『子どもを持たなくてもいい』というイデオロギーに対して、戦争を仕掛けなければならないと思います」と語った。
ヴァンス氏は性別を特定していないものの、批判は女性に向けられているように聞こえ、「最近ミレニアル世代のフェミニストのライターたちの馬鹿げた会話をTwitterで目にした」と説明している。
ヴァンス氏によると、ライターたちは、子どもを持たない方が良い理由や、子どもを持たなくてよかったと感じていることを投稿していたほか、子どもを持って後悔した人たちにその理由を教えてほしいと求めていた。
ヴァンス氏はこのやり取りを批判した上で「親になるよりキャリアに集中するよう女性に勧めるのは哀れだ」と主張。
「多くの人たちは認めていないが、人生のすべてを資格や学校、どんな仕事をするかに費やし、そこに生きる意味を見出すような人は、子どもを産んで後悔していることを話してくれ、と女性に頼むような人間になるでしょう」
「そういう人たちは、悲しく、孤独で、哀れな人間になる。それをよく知っているからこそ、自分より意義ある人生を築いてきた人たちにも、(悲しみや孤独を)投影しようとする。我々はこのイデオロギーとその背後にいる人々と戦争を始めなければならない 」
ヴァンス氏はインタビューで、3人の子どもを産んだ5歳年上の姉リンジー・ルイス・ラトリフ氏を引き合いに出している。
「姉は時々、『子どもを持つのはもう少し後にして学校に行くべきだったかもしれない』と言うことがある」
「だから私は『リンジー、あなたは素晴らしい母親だ。子どもたちは幸せで、健康だ』と伝えるんです」
「私の姉のような人が、社会から『あなたの人生は不十分だ』と言われていると感じるべきではありません。そのメッセージを送っている人たちこそ、自分の人生が不十分だと感じるべきです。もちろん、彼らはそう思っている。恥ずかしくて口にできないだけなんです」
ヴァンス氏は2021年のFOXのインタビューでも「子どもを持たず、猫を飼っているような女性たちが、自分だけではなく他の人たちをも惨めにしようとしている」と主張し、その一人としてカマラ・ハリス副大統領の名前を挙げた。
ハリス氏が民主党の大統領候補として有力視され、この発言が再び批判される中で、姉のラトリフ氏はヴァンス氏を擁護。
「JDは、私が知る限り最も強い女性たちに育てられ、信じられないほど強い女性と結婚した」というコメントをCNNに寄せた。
「JDは彼の人生に関わってきた女性の証なのです。そうでないと決めつけるメディアや民主党からの攻撃は卑劣です」
ヴァンス氏は、女性は子どもを作るべきだと主張しているが、出産後の女性や不妊に悩む女性の支援には否定的だ。
ヴァンス氏は2021年には、子どもの保育や教育に政府が補助金を出す「ユニバーサルチャイルドケア」を「一般の人たちに対する階級闘争」と呼んで反対。
2024年6月には、不妊に悩む人々を支援するため、体外受精などの生殖補助医療を受ける法的権利を確立する「体外受精の権利法案」に反対票を投じた。
また、ヴァンス氏はハリス氏を 「子どものいない猫好き女性 」と批判したが、ハリス氏は、夫のダグラス・エムホフ氏が前妻との間にもうけた2人の子どもを育てている。
ハフポストUS版の記事を翻訳しました。