PRESENTED BY 日本郵政

「サザエさんと三河屋さんの距離感」で情報発信を。日本郵政がメディア「JP CAST」を始めた理由

日本郵政が、オウンドメディア「JP CAST」をスタート。地域に根ざした郵便局の“ほっこりする”ニュースや独自のSDGsの試みを発信する理由とは? 民営化後の変革や“攻めの広報”に挑む背景を聞いた。
日本郵政グループ

遠くに暮らす大切な人からの手紙や小包。憧れの学校から合格通知……。「郵便」という言葉に、小さな思い出が胸によみがえる人も多いのでは。

そんな郵便をはじめとした日本郵政グループにまつわる情報発信を日本郵政が2022年1月1日に始めた。新たなウェブメディアの名前は「JP CAST」。作家・江國香織さんや俳優・町田啓太さんの心温まるエピソード、豪雪地帯を走る郵便配達員の苦労と喜びなど、幅広いコンテンツが揃う。メディアの狙いや強みを広報部グループリーダー・池辺恭平さんに聞いた。「サザエさんと御用聞きの酒屋・三河屋さん」そんな距離感の情報発信を目指す理由とは?

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「JP CAST」のコンセプトは、「郵便局の魅力を発信するメディア」。「JP」は日本郵政グループ(Japan Post group)を意味し、「CAST」には、出演者を意味する「cast」と放送局の「broadcast」をかけた。

池辺恭平(いけべ・きょうへい)さん:日本郵政株式会社広報部グループリーダー。2010年日本郵政株式会社入社、経営企画部、日本生命への出向、人事部などを経て現職。社内外への発信力を高めるべく、“攻めの広報”を志す。
池辺恭平(いけべ・きょうへい)さん:日本郵政株式会社広報部グループリーダー。2010年日本郵政株式会社入社、経営企画部、日本生命への出向、人事部などを経て現職。社内外への発信力を高めるべく、“攻めの広報”を志す。
Kaori Nishida

「社員が日本全国の心温まる話を発掘し、自らも出演者として発信していく。そんな思いを込めています」と池辺さんは話す。編集チームの最年少は26歳。「『日本郵政グループを変えたい』。そんな“変革の志”を持って民営化後に入社した20〜30代が集まりました」。

◾ “小学校より数が多い”郵便局だからできること

山口県の旧殿居郵便局。「JP CAST」サイト内の「エモい郵便局図鑑」シリーズでは、歴史あるレトロな郵便局を紹介している。
山口県の旧殿居郵便局。「JP CAST」サイト内の「エモい郵便局図鑑」シリーズでは、歴史あるレトロな郵便局を紹介している。
日本郵政グループ

「JP CAST」の一番の強みは、大都市から農村まで、全国の地域に根ざした情報発信ができることだ。「約2万4000の郵便局が全国津々浦々にあります。その数は、小学校よりも多いんですよ(*1)。さらに、40万人の社員と1日3100万か所に配達するネットワークを持っています。そんな企業、他にはないですよね?」 (池辺さん)。

*1:日本の小学校は1万9525校(令和2年度)。文部科学統計要覧(令和3年版)より
日本最南端の駅、鹿児島県・西大山駅に佇む黄色いポスト。全国のご当地ポストを紹介する連載がスタートした。素敵な風景写真で旅気分を味わうことができる。
日本最南端の駅、鹿児島県・西大山駅に佇む黄色いポスト。全国のご当地ポストを紹介する連載がスタートした。素敵な風景写真で旅気分を味わうことができる。
日本郵政グループ

それだけではない。切手、郵便ポスト、郵便局舎など、郵便にまつわるコンテンツには、多くのファンが存在する。「設立から150年。歴史のなかで特色ある文化をたくさん生み出してきました。ネタは本当に尽きません」と池辺さんは続けてくれた。

◾ マイナス20度の地で1日10回の転倒も。若き郵便配達員の奮闘に反響

特に反響があった記事を尋ねると、意外にも「『とある地方の郵便配達員の奮闘』を描いた記事」とのこと。舞台となった北海道・北見市は、マイナス20度になることもある豪雪地帯。路面凍結や視界不良も多く、配達には危険が伴う。

北海道・北見市で郵便配達を担う北見郵便局の久保麻美(くぼ・あさみ)さん。積雪や凍結により、細心の注意が必要な路面状況でも、安全に郵便物を届けるための努力を続けている。
北海道・北見市で郵便配達を担う北見郵便局の久保麻美(くぼ・あさみ)さん。積雪や凍結により、細心の注意が必要な路面状況でも、安全に郵便物を届けるための努力を続けている。
日本郵政グループ

記事で紹介された久保麻美さんは、入社時にはそんな“配達員泣かせの雪道”で、1日10回転倒することも。時には町の人にバイクを起こすのを手伝ってもらうなど、地元の人々の温かさに触れながら、運転技術を磨いていった。徐々に雪道への苦手意識を克服し、自信と誇りを身につけていった久保さん。その姿に、SNSなどでは「頑張って!」「ほっこりした」といった多くの反響が寄せられた。

雪道に注意しながら郵便配達をする久保さん。
雪道に注意しながら郵便配達をする久保さん。
日本郵政グループ

「郵便受けに郵便物が届けられることは当たり前となっています。郵便配達をする姿は、日常にあまりにも溶け込んでいるので、郵便配達員の頑張りに改めて感謝をする人は少ないのではないでしょうか。でも、血の通った郵便配達員の『一通を届けるため』の日々の努力が人々の目に触れ、心を動かすことができた。それはすごく嬉しかったです」(池辺さん)

◾技術面でも地域の役に立つ。SDGsの実証実験も

「JP CAST」は、技術や環境面から、地域をサポートする活動も紹介している。日本郵政グループは、2050年までにカーボンニュートラル(*2)を目指すため、アクションを起こした。

*2:カーボンニュートラル(炭素中立):「温室効果ガスの排出を全体としてゼロにする」取り組み。
「急速充電器」の実証実験で使われているEV車両『ミニキャブ・ミーブ』。
「急速充電器」の実証実験で使われているEV車両『ミニキャブ・ミーブ』。
日本郵政グループ

たとえば、「JP CAST」の連載「サステナビリティ最前線」では、カーボンニュートラルに向けた地域密着の実証実験を紹介している。栃木県・小山郵便局と静岡県・沼津郵便局では、自動車会社と電力会社の協力を得て、「急速充電器」を郵便局に設置。配達のEV車両だけでなく、地域の人々も充電できる試みを始めた。

「『地域に必ずいる身近な存在』という人的な側面だけではなく、今後はテクノロジーなどの技術面などでも地域の方々に貢献したいです」(池辺さん)。

◾今後のJP CASTは?

今後の「JP CAST」は、どのようなビジョンを描いているのか。池辺さんは「『ふるさと小包だけで○日間、暮らしてみた』など、『日本郵政グループがここまでやるのか!』と驚いてもらえるコンテンツにも挑戦したいです。漫画や動画も増やします」と意気込む。

Kaori Nishida

「特に地域の細かいネタを発信していきたいです。例えるなら、サザエさんと御用聞きの酒屋・三河屋さん。三河屋さん(=地域の社員)だけが知っている、サザエさん(=地域の皆様)の情報を出していきたいです。『こういう記事が載っていたね』と『JP CAST』の記事がお客様と会話のきっかけになるといいなと思います」

「社員一人ひとりがお客様のために、自分たちの発信まで意識する。本当に、日本郵政グループにはまだ知られていない魅力がたくさんあるので、『日本郵政グループって変わったね』と思ってもらえるよう、情報発信を続けていきたいです」(池辺さん)。

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