日本航空(JAL)が導入している「幼児マーク」が海外で話題になっている。
幼児マークとは、小さな子どもを連れた乗客の席が、あらかじめわかるサービスだ。
JALのウェブサイトによると、生後8日以上3歳未満の子どもを連れて搭乗する乗客が、サイト経由で座席指定をした場合に、幼児マークが表示される。
ツアーや特典航空券で予約した場合や、JALのウェブサイト以外で座席指定をした場合は、幼児シートは表示されないという。
このサービスに気が付いた海外在住のユーザーが「長時間のフライトにはありがたいサービスだ」と投稿したところ、ネット上で賛否両論が起きた。
「13時間の旅で、赤ちゃんが泣き叫ぶ場所はどこなのかわかるのはありがたい。前もって教えてくれてありがとう。全てのフライトで必要なサービスだと思う」
このユーザーは、数週間前に3人の赤ちゃんが泣き叫ぶ席の近くに座ったという。
この投稿に「何時間も続くフライトで近くに泣く赤ちゃんがいるのは大変だ、ありがたいサービス」と賛同の声がある一方で、「もっと寛容になってもいいのでは」と、親子に寄り添う声も投稿されている。
「以前は私も同じように感じていました。だけど自分が親になってから、子どもを連れて旅をする親の大変さがわかるようになりました。もし機内で泣き叫ぶ子どもが気に触るようだったら、喜んであやしますよ」
「私たち全員、一度は赤ちゃんだったじゃないですか!小さな子供たちの近くに座りたくないという人は、もっと思いやりをもって欲しい。世界には泣く子どもの横に座ることより、もっとひどいことがあると考えてみては」
「私は5人の子どもの父親で、それぞれが赤ちゃんの時に旅をしたことがあります。できる限りの事をして泣きやませようとするけれど、親もすごく大変なんです。どうかこんな風に考えてほしい。これはたった1日のことなんだって」
他にも、耳栓やノイズキャンセリングのヘッドフォンを付けていれば気にならないよ、といったアドバイスもある。
■「幼児マーク」は何のため?JALに聞いてみた
幼児マークはどういった目的で導入されているのか、ハフポスト日本版はJALに聞いた。
JALの広報担当者によると、サービスが導入されたのは、国内線が2013年2月で国際線は2017年11月。赤ちゃん連れの乗客からの要望で導入したという。
小さな赤ちゃんを連れて乗る親の中には、泣いて周囲に迷惑がかかったらどうしようと心配を抱えている人たちもおり、あらかじめ赤ちゃんがいる席を知らせるサービスが欲しいという声があった。
場所を知らせることで、子ども連れの人たちが同じように子どもがいる乗客の近くの席を選んだり、周りの人に前もって知らせることで安心感を得られる、といった効果があると広報担当者は話す。
「子ども連れでないお客様から、赤ちゃんのいる席の表示があるといいという声もありましたが、どちらかといえば赤ちゃんを連れて利用されるお客様の声を重視して導入しました」
「幼児マークは、赤ちゃんがいる場所を知らせるというより、周囲のお客様にご配慮を求めるためのもので、双方に快適に過ごしていただくためのサービスです」
幼児マークのほかにも、チャイルドシートの貸し出しやミルク作りの手伝いなどのサービスもしているという。
長時間機内で過ごすのは、小さな子供にとっても大変なことだ。様々な航空会社が赤ちゃん連れの乗客のためのサービスに取り組んでいる。
ニュージーランド航空は2018年、エコノミーの3席をつなげた「スカイカウチ」という席を、親子がゆっくり休めて遊べるように改良して話題になった。