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ニュージーランドのジャシンダ・アーダーン首相が1月19日、辞任を発表した。
アーダーン首相は19日に開かれた労働党の党員集会で、「十分な力が残っていない」「辞めるタイミングが来た」と説明し、辞任を表明。
さらに「このまま続ければ、ニュージーランドに不利益を与えることになる」とも語り、再選を目指さず2月7日に辞任すると発表した。
アーダーン首相は2017年、37歳で当時世界最年少の女性首相に就任し、5年半の任期の間、危機管理能力や国民に寄り添う姿勢が高く評価されてきた。
2019年に南部クライストチャーチのモスクで銃乱射事件が発生した後には、銃規制強化を発表。
また2020年に新型コロナウイルス感染症が拡大した時には、厳しい規制を実施して感染者数や死者数を抑え、さらにSNSなどを使って規制について国民に直接説明し、協力を呼びかけた。
その一方で、生活費の高騰や金利の上昇などを背景に、ここ数カ月で支持率は低下していた。
アーダーン首相は19日、辞任の理由について「自分には首相の仕事をこなすための十分な力が残っていない」と説明した。
「国を率いるというのは、最も特権的な仕事であると同時に、より困難な仕事の1つです。満タンのタンクと予期せぬ挑戦のための少しの備えがなければできず、やるべきでもありません」
「今年の夏、私は次の1年だけでなく、次の任期のために準備をしようとしましたが、できませんでした」
「そして今日、私は再選を目指さず、首相の任期を2月7日までに終了することを発表します」
アーダーン首相は、首相の職が大変だから辞任するのではなく、特権と責任を伴う仕事であるから辞めるとも説明している。
「自分がリーダーとして適任か、そうでないかを見極める責任があります。私はこの仕事には何が必要かを知っており、自分のタンクには十分な燃料が残っていないことをわかっています」
アーダーン首相は「私は人間です。政治家は人間です。私たちは最大限のことを、できる限りやりますが、それには限界がある。そして私にとって、今がそのタイミングなのです」とも述べている。
また、辞任後については「まだ何も計画していない」と説明した。