気象庁は7月1日午前8時59分に「顕著な大雨に関する情報」を発表し、東京都の伊豆諸島北部で「線状降水帯」が発生したことを明らかにした。非常に激しい雨が同じ場所で降り続いており、命に危険が及ぶ土砂災害や洪水による災害発生の危険度が急激に高まっているとした。
1日夕方まで、土砂災害や河川の氾濫に厳重に警戒するように促している。
■線状降水帯とは何か?九州北部豪雨や熊本豪雨でも発生
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気象庁公式サイトやコトバンクによると、線状降水帯は、発達した積乱雲が列をなして並ぶことで、大雨が発生する地域のこと。長さ50~300km、幅20~50kmに及ぶことがある。低層を中心に温かく湿った空気の流入が持続することがきっかけと見られているが、発生メカニズムに未解明な点も多いという。
1990年代から集中豪雨発生時に線状の降水域がしばしばみられることが指摘されていたが、線状降水帯という言葉が頻繁に使われるようになったのは、2014年8月の豪雨による広島市の土砂災害からだ。2017年7月の九州北部豪雨、2020年7月の熊本豪雨でも線状降水帯が発生している。
気象庁では「毎年のように線状降水帯による顕著な大雨が発生し、数多くの甚大な災害が生じています」としており、6月17日からは線状降水帯による大雨が確認された場合には「顕著な大雨に関する情報」を発表するようになった。同月29日には沖縄本島地方で初めて発表していた。