「パッパー」と呼ぶ赤ちゃんの声に勇んで、お父さんが駆けつけるも、今度はなぜか「ディン」としか言ってくれない。「パパだよほら」とどんなにアピールしても「ディン」「ディン」…。
ゆるいタッチで描かれた子育て漫画に「かわいい」「言って欲しいときには言わないんですよね」とほっこりする人が続出している。
この漫画は、Twitterユーザーの犬犬さん(@inu_eat_inu)が数日に1回に投稿している育児漫画の一つだ。
赤ちゃんの微笑ましいやり取りや、思うようにならぬ育児の苦労を2コマの漫画でレポートしている。筆者自身も1歳8カ月になる娘がイヤイヤ期に突入。着替えをさせたり、保育園に連れていったりするにも一苦労する日々を送っているので身に染みてしまった。
一連の育児漫画は、どうして生まれたのか。犬犬さんに詳しい話を聞いた。
■「一大イベントなのでネタにしないと勿体ないと思った」と作者
犬犬さんは、過去には漫画家として『深海魚のアンコさん』(ほるぷ出版)などの著作もあるが、現在は会社員の仕事がメインだという。育児漫画は過去の作品とは違って、らくがきのようなゆるいタッチで描かれている。
犬犬さんによると、赤ちゃんは2020年10月に生まれた長男。12月現在は1歳2カ月ぐらいとなっている。生後8カ月ごろの2021年6月に「よし!俺も育児エッセイ漫画を描いたぞ!」と投稿したのが育児漫画のスタート。それからは数日に1回のペースでコンスタントに投稿している。11月2日に投稿した「耳元で大きな声を叫ばれる話」は12万件以上の「いいね」がつくなど、大きな反響があったという。
「Twitterで日記漫画などよく見ていたこともあり、一大イベントなのでネタにしないと勿体ないと思った」と犬犬さんは、育児漫画の投稿を始めたきっかけを振り返る。
ラフなタッチで描いている理由については「あまり考えずに勢いで始めたのと、時間がかからないようにしたかったから」と打ち明ける。数日に1回のペースで投稿を続けている理由は「生活が育児と仕事に支配されることへの抵抗。どこまで継続できるか挑戦。『子供がかわいい』。などいろいろです」と回答した。
ここまでの子育てを振り返ってみて、予想と違っていた面は何か聞いてみると、次のような言葉が返ってきた。
「思ってたより生活や思考が子供一色になってしまうけど、思ってたより苦ではない。大変なんだろうなあ…と思ってたうんちの処理が、育児全体で見ると比較的たいしたことなかったです」
犬犬さんが描く赤ちゃんのキャラクターが、Twitter上でファンアートが作られるほど反響を呼んでいる件については「自分の子供を描いていただける日が来るとは思いませんでした。とても嬉しいです」と感謝していた。