労働生産性、日本はG7の中では最低→上位ドイツは上司がポケットマネーで罰金を払う仕組みになっていた

それでも日本が過去最高となったのは非正規雇用が増えていたからだった。

労働者がどれだけ効率的に働いたかを示す「労働生産性」が、日本は2016年度も主要7カ国(G7)の中で最低だった。日本は11月に、労働生産性が過去最高になったと発表されていたが、国際社会と比べて何が低順位の要因になっているのか。

■労働生産性とは

労働生産性とは、1人の労働者が1時間にどのくらいのモノやサービスを生み出したかを示す指標だ。

調査は公益財団法人・日本生産性本部が12月20日に発表したもので、OECDのデータに基づく。日本の労働生産性は時間当たり46.0ドル(約4700円)で、OECD加盟35カ国中20位だった。前年度から1.2%上昇したものの、順位は変わっていない。データを取得している1970年以降、G7の中で最下位の状況が続いている。

日本生産性本部「労働生産性の国際比較国際比較 2017年版」より

■日本はそれでも過去最高。労働時間が短くなったが...

しかし、日本生産性本部は11月、2016年度の日本の労働生産性が過去最高だったと発表していた。正社員の労働時間が減少に転じたことなどが影響したとされている。

日本生産性本部「日本の労働生産性の動向 2017年版」より

日本でも確かに労働時間が短くなった。しかしこの減少の理由について、レポートは「労働時間が比較的短い非正規労働者の割合の上昇が平均を押し下げてきたため」と指摘した。

グラフを見ると一目瞭然だ。レポートは、正社員の労働時間も短縮する動きが広がれば、「労働生産性をあげる一因にもなると考えられる」としている。

日本生産性本部「日本の労働生産性の動向 2017年版」より

レポートによると、日本と比べて、1人あたりの労働生産性と労働時間あたりの生産性がいずれも高い国には、デンマークやオランダ、ドイツ、フランスがある。これらの国は労働時間が日本よりも10~20%程度短いが、「短い労働時間で効率的に成果を生み出すことで経済的に豊かな生活を実現している」とみられる。

なお、ドイツでは1日10時間を超える労働は法律で禁止されおり、違反すると罰金が科される。おもしろいのは、この罰金を支払うのは会社ではないという点だ。東洋経済によると、最高1万5000ユーロ(180万円)の罰金は、長時間残業をさせていた部署の管理職が、ポケットマネーで支払うということになるのだという。

管理職が罰金を自腹で支払うようになれば、日本の労働生産性もあがるかもしれない!?

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