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私のことは心配しないで――。
NASAの火星探査機「インサイト」が最後の力を振り絞り、電力が尽きる前に撮影した画像を送信した。
インサイトは2018年に火星に着陸して調査を続けていた。しかしNASAは5月、ソーラーパネルにちりが積もり、徐々に電力を失うだろうと伝えていた。
そしてインサイトのTwitterに12月20日(日本時間)、「電力がとても少なくなりました。おそらくこれが私が送る最後の画像です」というメッセージが投稿された。
「だけど私のことは心配しないでください。私はここで、実り多い平穏な時間を過ごしました。もしミッションチームと話し続けられるのなら、そうするでしょう。しかし、ここで終わりにしたいと思います。私と一緒にいてくれてありがとう」
貴重な観測データを送り続けた
インサイトは2018年5月5日に打ち上げられ、同年11月26日に火星に着陸した。
そして12月18日、NASAはインサイトが地球とのコミュニケーションに応答しなくなったと発表。
NASAによると、交信が途絶えたのは12月15日で「限界に達したのかもしれない。何がエネルギーの変化を促したのかはわからない」とコメントしている。
NASAは、インサイトが火星を周回する宇宙船との通信を2回連続で失敗した場合、ミッション終了を宣言するという。
私のことを誇りに思ってくれたら嬉しい
火星着陸から4年間、たくさんの貴重なデータを地球に送り続けたインサイト。
NASA惑星科学部門ディレクターのロリ・グレイズ氏は5月に「インサイトは、岩石惑星内部についての私たちの理解をすっかり変え、将来のミッションの土台を整えました」「私たちは火星の内部構造について学んだことを、地球や月、金星、さらには他の太陽系の岩石惑星にも適用できます」とコメントしている。
別れは悲しいものの、インサイトにとって充実した4年だったようだ。最後が近づいていた11月に、こんなメッセージも公開されている。
「私は2つの惑星で生きることができて、とても幸運でした。4年前、私は無事に2つ目の惑星に到着し、最初の惑星にいる家族を喜ばせました。 この発見の旅に私を送ってくれたチームに感謝します。 どうか、みなさんが私のことを誇りに思ってくれていますように」