インフルエンザの患者数が、急増している。国立感染症研究所によると、1月13日までの1週間に報告された全国のインフルエンザ患者は推計で約163.5万人。前の週の約58.6万人より2倍以上となった。
1医療機関あたりの患者数は38.54人で、「警報レベル」の30人を超えた。昨季に比べると、「警報レベル」を超えたのは1週間早い状況だ。
インフルエンザの「警報レベル」とは
インフルエンザの「警報レベル」や「注意報レベル」とは、国立感染症研究所が発表するインフルエンザの流行のレベルを表す目安となるもので、実際に自治体が発令するインフルエンザの「注意報」や「警報」とは異なる。
国立感染症研究所では、全国約5000の医療機関で、1週間に受診した1医療機関当たりの患者数をもとに、インフルエンザの流行状況を判断している。
この1医療機関あたりの患者数が10人を超えると「注意報レベル」となり、流行の発生前であれば今後4週間以内に大きな流行が発生する可能性があることを、流行発生後であればその流行がまだ終わっていない可能性があることを意味する。
30人を超えると「警報レベル」となり、大きな流行の発生・継続が疑われる。
自治体はこの指標を元に注意喚起
この指標などを元にしながら、各自治体が地域住民に注意喚起を行う。
例えば東京都では、注意報レベル(1医療機関あたりの患者数が10人+)を超えた全ての保健所の管内人口数が、東京都の人口全体の30%を超えた場合に注意報を発令。警報レベル(1医療機関あたりの患者数が30人+)を超えた全ての保健所の管内人口の合計が、東京全体の30%を超えた場合に、都内にインフルエンザ「流行警報」を発令する。
自治体によって、さらに細かく情報提供しているところも
なお、各自治体では、管轄する地域ごとに、インフルエンザの流行状況を更に細かく提供しているところもある。検索サイトで、自治体名と「感染症情報」などのキーワードをあわせて検索すると、自治体の公式情報を見つけやすい。
東京都の場合、保健所ごとにインフルエンザの発生件数を発表しており、年齢別の発生状況が知れたり、過去5年分で発生件数を比較できたりする。
港区では、区内のインフルエンザ流行レベルマップなどを提供。地区ごとに流行状況を知ることができる。