沖縄で2月4日、名護市長選挙があります。出馬表明している稲嶺進(いなみね・すすむ)氏は1月23日、総決起大会を開きました。稲嶺氏は現市長で無所属の候補者です。
名護市辺野古では、多くの市民が反対する中、政府が連日、米軍新基地建設を進めています。稲嶺氏は新基地建設に反対の立場で、3期目を目指しています。
稲嶺氏は、翁長雄志知事が全力で応援し、社民・共産・社大・自由・民進が推薦しています。また、立憲民主党も23日、稲嶺氏支持を決めました。
平日夜の総決起大会は、集まった3850人の熱気であふれていました。浮き足立った「熱狂」はなく、稲嶺氏が話すと静寂に包まれる空気感が印象的でした。
翁長知事は応援演説で「米軍基地は沖縄発展の最大の阻害要因」と強調しました。
稲嶺氏は、新基地は造らせないとして、基地に頼らず健全な財政を作ってきた実績を強調しました。市は借金がなく、予算は前市政より95億円増えて、382億円(2016年度)になったそうです。
21日の南城市長選で「政府寄り」の現職候補に勝った瑞慶覧長敏(ずけらん・ちょうびん)氏も登壇し、応援演説で言いました。
「人は自由に意見を言う権利がある。政府は辺野古反対派を<抵抗勢力>と呼ぶが、私たちは自由に生きる権利を主張しているだけ」。
名護市は人口約6万人の小さな自治体です。稲嶺氏が一番に訴えているのは、子供の夢と未来のための政策です。基地建設はその阻害要因だとして反対しています。
対抗馬は渡具知武豊(とぐち・たけとよ)氏です。新人で立候補する前市議の渡具知氏は、自民・公明・維新の推薦を受けています。
琉球新報によると、辺野古新基地について「国と県が係争中であることに鑑み、その動向を注視する」として「容認」を示しているようです。
多くの名護市民は心を決めているようでした。「官邸との戦いに勝ってほしい」「1万票差の圧勝を期待する」との声も聞こえました。
根強い人気と実績で稲嶺氏が順当に当選した場合、政府は地元の声を聞かざるを得ません。繰り返し無視されてきた声は大きくなるばかりです。