PRESENTED BY 厚生労働省

イクボスの理解が、社会を変える。

職場の雰囲気は現場の管理職次第で変わります。

■イクボスがこれからの日本の企業にとって必要不可欠

「仕事も子育ても同じぐらい頑張りたい」という男性が増えています。しかし、育児休業をはじめとする両立支援制度を利用する男性はまだまだ少数です。

その理由として、制度を利用しづらい職場の雰囲気があげられます。

職場の雰囲気は現場の管理職次第で変わります。

管理職に両立支援の知識や配慮がなく、長時間労働を前提としたマネジメントを行っていれば、自分だけが育児を理由に休むことはできないと考える部下も多いのではないでしょうか。

管理職が部下一人ひとりの仕事と家庭の状況を把握し、マネジメントしながら、急な休みや早退にも「大丈夫。あとは任せておいて」という姿勢を見せれば、部下は安心して制度を利用し、育児に取り組むことができるでしょう。

そのために、時間制約の中でも成果が出せるよう職場の業務改善が必要です。また、自らも率先して定時退社し、仕事と生活を充実させるなど部下の見本となることも大切です。

このような管理職「イクボス」の存在が、これからの日本の企業にとって必要不可欠です。

そのようなことから、積極的に育児を行う男性「イクメン」を応援する厚生労働省「イクメンプロジェクト」では、部下の仕事と育児の両立に配慮し、業務効率も上げている「イクボス」を表彰する「イクボスアワード」を実施しています。今回は「イクボスアワード2015」で、グランプリに輝いた3名の「イクボス」のインタビューのうち、一部ご紹介致します。是非、取り組みを参考にしていただき、職場マネジメントに活かして頂ければ幸いです。

■イクボスアワード2015受賞者インタビュー

株式会社丸井グループ 株式会社丸井 取締役 大宮店長 阿部和美さん

Q1、管理職になる前はどんな働き方をしていましたか?

与えられた時間の中で、いかに効率よくかつ最大のパフォーマンスを出すかを常に意識していましたが、実態は仕事中心の生活で仕事の進み具合でオフの予定が決まる働き方をしていました。仕事に時間を多く費やすことで、自分はこんなにも頑張っているという安心感を得ていたのだと思います。

Q2、「イクボス」になったキッカケは?

昔、部下が業務中に倒れて救急車で運ばれ、関係者やご家族の皆様に多大なご迷惑をおかけしてしまったことがきっかけです。

自分(上司)が考えている以上に、部下は常に上司を意識し行動しています。自分のマネジメント・ライフスタイル・働き方を変えなければ、組織全体が変わらないと痛感しました。

Q3、部下の仕事と家庭の両立を応援するために、ご自身で進めた取組はありますか

育休からの復職者については復職のタイミングと同時に、直属の上司を交えて三者面談を実施しています。不安の解消ももちろんですが、『会社からの期待』をしっかり伝え、頑張る気持ちの後押しをチームとして行う環境を作ることが目的です。会議は、①回数を減らす②時間を区切る③全員が平等に参加できる時間の設定に変更し、現場での1対1のコミュニケーションに切り替え、日々マネジメントを行っています。

また、「子供が生まれました!」と男性部下が報告に来た時に、すかさず「育児休業はいつにする?」とこちらから積極的に声をかけます。上司の反応を予測して、せっかくある制度も活用しづらいと感じる部下も多くいるのではないでしょうか。制度の見直しや新設も必要なことですが、まずは今ある制度を利用しやすい環境や風土を上司から作っていく事が必要だと思います。

Q4、普段、職場マネジメントで心がけていることは?

まず、自分から挨拶の声をかける、些細なことでも「ありがとう」を声に出して伝えるなど、個を認めるアプローチを実践しています。「おはよう!」「ありがとう!」「おつかれさま!」は誰にでも通用するコミュニケーションの言葉ではありますが、先に上司からアプローチすることが効果を2倍にすると感じ実践しています。

また、限られた時間の中で最大のパフォーマンスを発揮させることと、組織の長として、従来の長時間労働を評価するという価値観を変えるということが、マネジメントの中で、最も大切なことだと、会議などの機会にはっきり部下=店の幹部には伝えています。ワークライフバランスの実現によって得られる、家事や育児の経験や新たな価値観を店づくりなどのビジネスに活かしていくことが、お客様から求められていると思います。

Q5、ご自身の仕事と家庭の両立について教えてください。

自らが定時退社を実践し、組織として残業をしない姿勢を見せ、部下が気兼ねなく退社しやすい環境づくりを推進しています。

そして、オフはオフに集中して楽しみます!自分からは会社に連絡をしない、心配ごとがあっても任せる姿勢を貫き、仕事を家庭に持ち込まない風土づくりを実践しています。

Q6、「イクボス」になって、いい影響はありましたか?

組織の風通しが良くなっているのか?ちょっとした相談や提案を個別によく受けるようになりました。個別のほうが部下もざっくばらんに新しいアイデアの提案やチャレンジをしやすいと思っています。ママ社員とのランチミーティングも定期的に行っていますが、そこから得られる情報はとても貴重で普段のコミュニケーションだけでは得られないものだと思っています。

部下からイクボスに「一言!」 林かおるさんより

とても「偉い立場の方」ですが、立場を超えてとても話しやすい店長です。相談に行くと、まず「そうだよね」と私たちの意見を認めてくれたうえでアドバイスをくださるので、「自分で考えなければ」という気持ちになり、お話しするといつもモチベーションが上がります。

私をはじめ、店舗には一人ひとりの事情に配慮しつつ、みんなの頑張る気持ちを引き出してくれます。

店舗内で売り場が変わって落ち込んでいたときは、店長自が面談をしてくださり、期待をかけてくれました。どんなに忙しそうな時でも、声をかけると顔をあげて笑顔で返してくれ、常に部下一人ひとりを平等に見てくれている安心感があります。いつも頑張ろうという気にさせてくれる最高のイクボスです。

ご紹介した阿部さんの他、残るグランプリの2名、特別奨励賞の2名の「イクボス」にもインタビューしております。そちらのインタビューについては、「イクボスインタビュー集」としてこちらのイクメンプロジェクトダウンロードコーナーからご覧頂けます。是非、ご活用ください。

仕事と育児の両立を推進する「イクボス」が日本中にあふれると、日本の未来がきっと良くなります。管理職の皆さん、充実したライフスタイルと働き方の実現を目指して、職場マネジメントに取り組んで頂ければと思います。

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