10月28日から東京ビッグサイトで一般公開される東京モーターショー2017。25日はメディア関係者向けのプレスデーだったが、各国の自動車メーカーの自信作が居並ぶ一角に、今まで見覚えのなかった国産スポーツカーを発見した。
その名は「IF-02RDS」。車高は低く2人乗り、エンジンはミッドシップ。鋼管フレームとFRP(強化プラスチック)を組み合わせたボディは、わずか1150キロと軽量だ。
真っ赤なカラーリングということもあり、1980年代のスーパーカー「フェラーリF40」を彷彿とさせる。「こんなクルマで公道を走りたい...」という思いを現実にするために開発した自動車で、世界にこの1台だけだという。
独自開発の変速機「シームレス・トランスミッション」を搭載。現在はホンダ製の2リッター直4ターボエンジン(300〜340馬力)だが、いずれはレース用を元にした4リッターV型10気筒エンジン(推定610馬力)に載せ替える予定だ。
製作したのは既存の自動車メーカーではなく、栃木県鹿沼市の自動車パーツ会社「イケヤフォーミュラ」だ。公式サイトによると、資本金1000万円、従業員数は25人の中小企業だが金属加工に定評があり、1994年からはレーシングカーの設計・製作もしているという。
モーターショーに展示された車体には、珍しくナンバープレート(宇都宮ナンバー)が付いているが、それには深い意味があった。
会場を訪れていた池谷信二社長は、ハフポスト日本版の取材に、こう答えた。
「革新的な変速機を作ったので、それを乗せる車が欲しい!というところから開発がスタートしました。デザインも私が発案したのですが、80〜90年代にル・マン24時間レースなどの耐久レースに出場していたグループCの車をイメージしました。2013年の東京モーターショーにも出展したんですが、そのときはサーキット用でナンバープレートは取得できてなかったんです。そこから4年をかけて開発を続けて、日本の保安基準を満たしてナンバーを取りました」
今回のモーターショーの直前、10月初旬に関東運輸局の認可を受けて宇都宮ナンバーを取得したばかりだった。同社によると、いずれは一般販売することも目指しているという。
東京モーターショーは、28日から11月5日まで一般公開される。