レアな名字「降谷」のハンコが爆売れ。『名探偵コナン ゼロの執行人』大ヒットで意外な波及効果

コナン君も驚きの安室透効果がこんなところまで
「名探偵コナン ゼロの執行人」の公式サイト。中央上の金髪のキャラクターが安室透こと「降谷」
「名探偵コナン ゼロの執行人」の公式サイト。中央上の金髪のキャラクターが安室透こと「降谷」
conan-movie.jp

興収67億円を突破したアニメ映画「名探偵コナン ゼロの執行人」のキャラクター、安室透の関連グッズが異常な売れ行きを見せている。

安室透の本名は「降谷零(ふるや・れい)」。そのため、全国でも珍しい苗字「降谷」のハンコがいきなり売れ始めた。はんこ屋さんも驚きと戸惑いを隠せない。

不気味な雰囲気、謎めくハンコ!どんな事件が起きたって真実はいつも1つ!

事件が起きたのは、高知市にある「印鑑・はんこの吉本三星堂」。創業90年余の老舗のはんこ屋さんだ。「5月初旬、全国でも珍しい『降谷』というハンコにいきなり注文が入り始めたんです」というのは、社長の長女で従業員の吉本美奈さん(27)。

名字検索サイト「名字由来net」で検索すると、なんと全国におよそ30人と出てくる。そのシャチハタ印が、毎日5~6点売れていくのだ。しかも、全国ランキング1位の「佐藤」、2位の「鈴木」よりも買われている。

あれれ~おかしいぞ~

うすうすおかしいとは思っていたが、数日は様子を見ていたという吉本さん。思い返してみると「降谷」という名前にすこし覚えがあった。公開中の映画「名探偵コナン ゼロの執行人」を見ないかと誘っていた女友達が、安室という男性について、熱いトークを繰り広げていた。そのなかに、「ふるや」というワードが出ていたのだ。

吉本さんは、Twitterの検索窓に入力した。

「降谷 ハンコ」

すると、「やることリストができたときに、上司の決裁風に降谷判を押すとやる気が出てくる」という投稿を見かけた。そう、あの降谷とは、名探偵コナンに出てくる安室透こと降谷零だったのだ。

安室とかいう男......!

吉本さんのように、「小学校までしかコナンを読んでいなくて」という方のためにおさらいしておこう。公安警察、私立探偵、そして黒ずくめの組織ーー。トリプルフェイスを持つ謎の男、それが安室透だ。本名を降谷零という。警察学校を首席の成績で卒業し、優れた洞察力と観察力、身体能力を合わせ持つ超絶イケメンとして、世のファンを悶絶させる魅力を持っている。

Twitter上では「安室透の日本で生きると決めた!!!!!!!!!安室透が仕事頑張ってるから今日も頑張れた!!!!!!!!!!!!!!」という熱烈なコメントや、男女かかわらず観た人すべてをメロメロにし、ただの観覧者から恋人へと変えてしまう安室の様子が見て取れる。

映画の興行成績にちなんで、#降谷零を100億の男にしようの会 というハッシュタグまで爆誕した。

ファンが作ったこのタグを、松竹の映画関連情報を流す公式Twitterまでもが使い始める事態に。ファンからは「すごいな、#降谷零を100億の男にしようの会ってハッシュタグつけて松竹さんが声掛けしてる...配給は東宝なのに」「胸アツ」といったコメントが出ている。

そんな安室(降谷)ファンの間で、降谷さんに決済してもらった書類のように、やることリストを完了した際にこの「降谷印」のハンコを押すムーブメントが起きたのだ。

私がこなしたミッションを、頑張って書いた書類を、上司である降谷さんが認めてくれる。

そう、降谷さんの部下だったらと思うとそれだけでどんな仕事もこなせる気がする。

降谷ハンコは、そんなバーチャルの世界の妄想をリアルに引き込んでくれる素晴らしいアイテムなのだ。目からうろこが落ちるような天才的発想である。

ただ、降谷さんは手厳しい方なので、完璧に仕事をこなさないと冷たく叱責されるかもしれない。できなくても優しく諭してほしい人は、「安室印」を使うなどの対策をとることもできる。

Twitter上では「仕事効率上げるために、今日やることリストの終了印として、降谷印買いに行ってから仕事に行こう」「家事や掃除で降谷さんのチェック...なんて希望したら『あ"!?』って怒られそうで、そこは人当たりのいい安室さんでお願いしたい」といった声が上がっている。

注文が一気に500件。夜通し「降谷」を彫ることに。人気は隷書体(れいしょたい)

だが、珍しい名字だけに既製品がないので、はんこ屋さんに注文するしかない。そんなファンたちが吉本三星堂でインターネット購入していたのだ。

ファンの気持ちを察知した吉本三星堂は、5月13日、降谷専用フォームを作った。

すると、1日数件だった注文が500件近くまで爆発的に伸びたのだ。注文を受けてから1本1本手作りで作らないといけないため、吉本さんたちは「早く届けてあげたい」と、夜通しレーザーで「降谷」を彫り続けることになった。

ちなみに、降谷「零(れい)」にかけて、人気の書体は隷書体(れいしょたい)といい、8割の人がこれを選んでいるという。

初めての異常事態に吉本さんは「あまり注目されない業界なので、本当にびっくりしています。降谷さん、すごいですね......」と話していた。

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