動画配信サービスHuluで流れているパレスチナ・ガザ地区をテーマにした広告を巡り、批判が起きている。
まるで観光PRのような30秒の広告では、AI生成の美しいビーチや豪華なホテル、楽しそうな旅行者の画像が紹介され「美しいガザにお越しください」「鮮やかな夜景を楽しみ、伝統ある豊かな文化を体験できる」というナレーションが流れる。
その陽気なトーンは途中で突如変わり、武器を持つパレスチナの大人や子どもの写真に。
「ハマスがいなければガザはこうなっていたでしょう」というナレーションとともに「今すぐハマスからガザを解放しよう」というメッセージが表示される。
国連によると、10月7日のハマス襲撃に対するイスラエル軍の報復攻撃で、ガザではこれまでに約10万人が死亡や負傷、行方不明になっている。
広告に対して、SNSでは「戦争犯罪と大虐殺から注意を逸らそうとするプロパガンダだ」などの批判が起きている。
政治アナリストのハリール・サイエグ氏は「Huluは恥を知るべきだ。イスラエルに16年以上包囲され、これまでも攻撃されてるにも関わらず、ガザは今回のイスラエルによる無差別な攻撃が起きるまで、生活や美しさ、文化に満ちた美しい都市だった」と投稿している。
他にも「この『ハマスなしのガザ』は同じように『イスラエル政府の介入なしのガザ』を描いていると思った」「2万7000人もの命が失われているのに、この扇動的な広告に何も言うことはないの」などのコメントも投稿されている。
さらに、広告を受けて、国家暴力とアメリカの軍国主義に反対する「ブロンクス反戦連合」は、Huluのニューヨークオフィス前で2月9日抗議行動をすると発表した。
Huluで配信されたガザの広告は、イスラエルの広報外交局のYouTubeにも掲載されている。ハフポストUS版は、広告に対する反応やボイコット、抗議行動についてHuluにコメントを求めているが、現時点での回答はない。
ハフポストUS版の記事を翻訳しました。