「社会は待ってくれない、歩みを止めちゃいけないんです」その言葉に背中を押され、オンラインで“パレード”に参加しようと決めた。

ハフポストの広告部門で働く私が考える、「ビジネスで社会を変える」ということ。

4月26日に、ハフポストLIVEの特別番組「パレードを続けよう。プライドは止まらない〜sponsored by Salesforce.com〜」が生配信される。
同日開催予定だった「東京レインボープライド」は、新型コロナ感染拡大の影響でリアルのイベントは中止、オンライン開催に。今、私たちにできることは何か、後押しができないかと企画した番組だ。リアルが無理なら、オンラインで歩き続けようという思いがそこにある。

ハフポストの思いに共感し、スポンサーとして番組に協力してくれるのは、Salesforce(セールスフォース)。いわば大きな意味で「広告」なのだが、ハフポストの広告部門、つまりビジネス分野で働く私が、こうしたビジネスを通して社会を変えられること、そして何より“パレード”を続ける理由について少し話したい。

企業の「思い」を届けることも、メディアとしての責任

ハフポスト日本版が、メディアとして大切にしてきたテーマがある。

「多様性」「働き方」「SDGs」。

ハフポストの「強み」でもある3つのテーマは、編集部だけでなく、私が所属する広告部門でも重視しており、企業からの期待も高い(と自負している)。

昨今、サービスや商品の質だけでなく、「より良い社会にするためにはどうしたらいいか」ということを真剣に考える企業が増えてきた。メディアの人間としても、一消費者としても、その変化にとても刺激を受けてきたし、就職先の選択にも大きく影響していることを感じている。 

編集長と一緒に、大学で講義をする機会がある。メディアの“使い方”が分からないという学生に向けて、「新聞でもオンラインでも、広告を通して得られるのは商品やサービスの情報だけじゃない。社会で今必要とされていることは何か、それに対して企業がどんな思いで取り組んでいるのか、知るきっかけにしてほしい」と話すと、とてもうれしいコメントが返ってくる。

「働き方改革ってニュースで見てもピンと来ないけど、企業がどんな思いで取り組んでいるのか、広告から知れるなんて思ってもみなかった。メディアを見る視点が変わりました」

2019年1月に専修大学でおこなった講義の様子。学生には、学びのためにも、就活のためにも、メディアをフル活用してほしいと思っている。
2019年1月に専修大学でおこなった講義の様子。学生には、学びのためにも、就活のためにも、メディアをフル活用してほしいと思っている。
HARUKA YOSHIDA

「ビジネスの場から社会を変える」。そんな取り組みを、広告を通じて多くの人に伝え、気づきや議論のきっかけとなり、社会を変えるパワーに繋がったら...と言うと、少し大袈裟だろうか。だが、企業が「多様性」や「SDGs」実現のためにかけている熱量は非常に多く、メディアとして、その思いをしっかり届ける責任があると感じている。

渋谷の街を、虹色に染めることは叶わないけど...

そんな思いもあり、ハフポストの広告部門であるパートナースタジオでも、様々な手法に挑戦してきた。届けたいターゲットや伝えたいメッセージに合わせ、スポンサードコンテンツ(記事広告)に加え、動画撮影やイベント開催、ライブ番組の配信...。特に最近は、新型コロナウイルスの影響でイベントを断念せざるを得ない状況が続く中、企業の「思い」を伝えるお手伝いをする機会も増えている。  

その一つとして、セールスフォースと一緒にライブ番組を作ることになった。同社は、4月25、26日に予定されていた日本最大のLGBTQイベント「東京レインボープライド (TRP)」への協賛を予定していたが、リアルでのイベントは中止に。

「今はできることが限られているけど、社会は待ってくれない。今こうしている時にも、悩んでいる人、苦しんでいる人がいる。私たちは、“歩み”を止めちゃいけないんです」

これは、LGBTQの権利獲得を目指して活動する同社の社員グループ「Outforce」リーダーの言葉だ。

リアルの場に集い、虹色のパレードをすることは叶わない。けれど、長年LGBTQに関する報道を行なってきたメディアとして、何かできないだろうか...。そう考えていた私の背中を、その一言が押してくれた。

セールスフォースとのお付き合いは、私がハフポストに入社した昨年7月に始まった。ある時は和歌山県白浜のオフィスに、ある時は社内の「ファミリーデー」にお邪魔し、自分はセールスフォースの一員なのではと錯覚することさえあった(すみません)。同社は、社員も取引先もユーザーも、みんな家族であるという「オハナ」のカルチャーをとても大切にしているので、私もそこにどっぷり浸かっているというわけだ。

昨年8月、朝7時、白浜の海にて。休暇ではなく、これが私の仕事スタイルです。この後、海に飛び込みました。
昨年8月、朝7時、白浜の海にて。休暇ではなく、これが私の仕事スタイルです。この後、海に飛び込みました。
YASUHIRO SUZUKI

これまで多くの社員の方々に、スポンサードコンテンツ(広告記事)のために取材をした。全ての人の「違い」を認め合い、自分らしく生きられる「平等」という価値を、社内で、そして社会で実現するために、一人ひとりが本気で取り組んでいることを深く痛感してきた。(詳しくは、過去の記事をぜひ読んでほしい。)

広告は、商品やサービスをいかに魅力的に伝えられるのかが勝負だと思っていた。だけど、それだけじゃない。社会を変えていくために、本気で取り組んでいる企業がある。それを伝えることで、誰かが社会に隠れた“問題”に関心を持ち、一歩踏み出すきっかけになれることを教えてくれたのは、彼らだった。

その経験が、広告を通して「ビジネスで社会を変えられる」ことを伝えたいという、私の信念につながっている。

さて、ハフポスト日本版では、これまでもニュースエディターやブロガーの記事から、LGBTQが抱える問題や当事者の思いを発信し続けてきた。毎年のTRPも精力的に取材を行なっており、渋谷の街を虹色に染めるパレードの様子を届けた。

ハフポスト日本版は、立ち上げ翌年の2014年からTRPの取材を続けている。(写真は2017年、パレードでのインタビューの様子)
ハフポスト日本版は、立ち上げ翌年の2014年からTRPの取材を続けている。(写真は2017年、パレードでのインタビューの様子)
HUFFPOST JAPAN

TRPのリアルイベント中止を受けて、「何ができるだろう」と考えあぐねていた私に、「歩みを止めちゃいけない。ハフポストだからこそできること、見せてください」と背中を押してくれたセールスフォース。

こうして、私たちのライブ番組「ハフポストLIVE」にスポンサードしてもらう形で、「パレードを続けよう。プライドは止まらない〜sponsored by Salesforce〜」という番組制作がスタートした。

みんなが自分らしく生きられるために

テーマは、「今年も”行進”を止めない。”祝福”を止めない。一人ひとりが、自分らしく働ける社会へ」。

番組には、さまざまな立場の4人のゲストを迎える。
番組には、さまざまな立場の4人のゲストを迎える。
HUFFPOST JAPAN

番組を通して、私たちが伝えたいメッセージは、大きく2つ。

・LGBTQについて「知る」一歩にしてほしい

・誰もが自分らしく生きるために、必要な行動や取り組みを伝えたい

互いの「違い」を認め合い、みんなが自分らしく生きられる社会の実現につなげていくためには、どうすればいい? ゲストの松岡宗嗣さんや、辻愛沙子さん、セールスフォースで働く当事者やアライのメンバーと一緒に考えていきたい。

リハーサルの様子。番組制作も、リハーサルも、全てオンラインで...。これもまた、新たな挑戦だ。
リハーサルの様子。番組制作も、リハーサルも、全てオンラインで...。これもまた、新たな挑戦だ。
HUFFPOST JAPAN

「LGBTQのこと、ちゃんと知りたいけど、何をどんな風に聞けば良いかわからない」

「クローゼット(LGBTQであることをオープンにしていない当事者)なのでリアルの場では集えないけど、伝えたい思いがある」 

さまざまな人が参加できるよう、番組は、Twitter上でリアルタイムのコミュニケーションがとれるライブ配信にした。ぜひ、一人でも多くの方に“パレード”に参加してほしい。

◇◇◇

ハフポストLIVE特別番組「パレードを続けよう。プライドは止まらない〜sponsored by Salesforce〜」の配信詳細は下記の通り。

・配信日時:2020年4月26日(日)14:30〜15:30

ハフポスト日本版のTwitterアカウントから視聴することができます。

・出演者:
松岡宗嗣さん(一般社団法人fair代表理事) 
辻愛沙子さん(arca CEO)
岡林薫さん(Salesforce LGBTQコミュニティ「Outforce」リーダー)
白水大三郎さん(Salesforce LGBTQコミュニティ「Outforce」メンバー)

・司会進行:やすじろう(ハフポスト日本版)

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