日本はいつの間にか、“環境後進国”になっていた。
2050年までに温室効果ガスの排出を「実質ゼロ」にする目標を掲げた国はすでに120カ国以上。アメリカと共に遅れていた日本は批判されていました。カラフルな「SDGsバッジ」をつけて満足しているのではないか、と揶揄されることもありました。
しかし、10月になってようやく菅義偉総理が温室効果ガス「実質ゼロ」を宣言。私たち消費者も、コンビニでレジ袋をもらうのをやめて、マイバッグを使い始めました。コーヒーショップの紙ストローにも慣れてきました。
どうすれば、日本はこれから“環境先進国”になれるのかーー。
12月1日(火)午後9時からのハフライブでは、「SDGs企業が変える “環境後進国” 日本」をテーマに、企業が単なる「利益重視」を超えて、真剣に環境問題に取り組むことができるのかを議論していきます。
いまの企業は世界のあちこちで活動しているため、時には国家より大きな力を持ちます。ビジネスのあり方を180度変えれば、環境破壊を止めることが出来るのではないでしょうか。1日のうち過ごす時間が多い「会社」が変われば社員ひとり一人の行動も変わります。
日本企業は本気のSDGsを目指せるのか。企業のサステナビリティ担当者、企業と連携することも多い20代のZ世代のNPO代表、ESG投資の専門家と一緒に話し合います。
ライブ番組は12月1日(火)に配信終了しましたが、全編アーカイブはこちらから視聴が可能です→
ESG投資の専門家「既にニュー資本主義に移行している」
ゲストの1人目は、『データでわかる 2030年 地球のすがた』『ESG思考』などの著書がある、ニューラルCEOの夫馬賢治さんです。環境や社会のサステナビリティをちゃんと考えている企業などを選んで投資する「ESG投資」の専門家として活躍しています。
「グローバル企業は『ニュー資本主義』に既に移行している」と夫馬さんは話します。環境問題に対応することが、企業にとって損になるどころか、むしろ成長につながる「新しいタイプの資本主義」が既に生まれていると言うのです。
環境保護が単なる「きれいごと」から「ビジネスの本質」にーー。どのような会社で働く人にとっても、夫馬さんの言葉には耳を傾けた方が良さそうです。(下の図が夫馬さんの「ニュー資本主義」のモデルです)
Z世代のNPOも企業に期待している
もう1人の出演者は、NPO「UMINARI」代表理事の伊達 Luke 敬信さん。
海のごみを拾うことから活動を始めたZ世代の一人です。学生時代にNPOを立ち上げ、仲間と共に、現在は学校や企業でSDGs関連のワークショップやコンサルティングも行っています。Instagramでも積極的に情報を発信中です。
伊達さんも企業の力に期待する一人です。
“あっちを立てればこっちを立たず”が常に起きるのがSDGsであり環境問題。たとえば、プラスチックごみを減らすため全国の飲食店がストローをなくしたとしても、ストローづくりに関わる人が失業してしまったら社会は豊かにならない。新しく導入した、紙ストローが本当に効果があるかどうかの検証も必要です。
こうした「複雑な問題」に対応するためには、企業のビジネススキルが必要になってくる。これからのNPOは、企業とどう連携していけば良いのかを聞きます。
身近なペットボトルの「変化」にも注目
3人目のゲストは、サントリーホールディングスの輿石優子サステナビリティ推進本部 サステナビリティ推進部 部長。サントリーホールディングスは、2030年までに、全てのペットボトルをリサイクル素材か植物由来の素材に100%切り替える方針を掲げましたーー500億円規模を投資するといいます。
最近では、スーパーやコンビニエンスストアなどに商品を置いてもらうための営業トークでも、SDGsについて話をすることが増えているそうです。まさに、企業とステークホルダー、そのステークホルダーと…、ともにSDGsを推進していく形です。
こんな人に見て欲しい
SDGsと聞くと「自分には関係ない話」と感じてしまう人もいるそうです。しかし、働く個人として、社内やチーム内で変えられることもたくさんあります。
自分の会社がサステナブルな経営をしているか、きちんと”見張る”ことも重要です。世界のトレンドを知り、明日から変えられることについて考えたい人にぜひ見て欲しいです。
■環境問題やSDGsなどについて、世界の歴史と潮流を知りたい人
■自分の所属している会社や組織が、環境問題対策について適切なアクションをしているか。確認するためのポイントを知りたい人
■ Z世代=デジタルネイティブ世代が、環境問題解決に向けてどんなアプローチをしているか知りたい人
■環境問題について、何かできることをしたいという気持ちはあるが、「マイボトルを持つ」「マイバッグを使う」などの他に、自分は何ができるのかよくわからないと感じている人