いよいよ近づいてきた、バレンタインデー。
大切な人に、家族に、そして自分へのご褒美にどんなチョコレートを買おうかと迷っている人も多いのではないでしょうか?
知っていますか?カカオ生産国の危機的状況
チョコレートの原料であるカカオの生産国には、貧困や児童労働、カカオの乱獲によるカカオ生産の危機的状況などさまざまな問題を抱えているところも少なくありません。
ハフコレ編集部は、多くの人がチョコレートに触れる機会であるバレンタインだからこそSDGsについて考えたいと思い、今回は、スイーツライターのchicoさんにチョコレートとSDGsの関係、そして買うだけで社会貢献ができるおすすめのバレンタインチョコレートを聞きました。
食べる人、生産に関わる人全てが幸せであるために
スイーツをテーマに執筆活動を行うchicoさんは「スイーツ業界でもここ数年、SDGsを意識した商品やショコラティエがとても増えてきた」と語ります。
特にチョコレートは、児童労働や生産国や生産に携わっている人たちにきちんとお金が回っていないことなど生産から輸入、製造システムのなかで起きる問題点に早くから注目されていたそうです。
「チョコレートをはじめとするスイーツは、国や地域によって贅沢品になるものでもあります。
商品ができあがるまでのお金の流れや経路をたどり、食べる人だけではなく、その生産に関わった人すべてが幸せでいれるのが理想ですよね。」(chicoさん)
みなさんは何かを食べたり、身に着けたりするときに、その商品がどこから来て、どのような人がどのように作り、私たちの元に届けられているのか、また自分が払ったお金がどのように分配されているのか意識することはあるでしょうか?それを考え、知ることでSDGsを実践する第一歩になるのかもしれません。
新しい形のチョコレートショップも生まれている
一方で、自分が使っている商品が作られた経路やお金の流れなどを知るのは、なかなか難しいもの。その手助けになるような新しいスタイルのお店が、2010年代に世界的ブームとなり、今やチョコレート業界の一つのジャンルとして定着していますとchicoさんが教えてくれました。それは 「Bean to Bar(ビーントゥバー)」。
「Bean to Bar とは、カカオ豆からチョコレートになるまで一貫して製造を行うことを言います。2000年代後半からアメリカで流行りはじめたのですが、現在は日本各地に Bean to Bar のお店があります。カカオ豆を買い付けるために直接農園に足を運んで、生産者について、そして彼らがどのように働いているのかを知ったうえでチョコレートを作っているのです。中には現地でカカオ栽培から携わる人も。お店の経営者の中にはSDGsの価値観を大事にしていて、それを体現している人も多くいます。」(chicoさん)
せっかく大切な人に送るなら、みんなが幸せになれるチョコレートを選んで、一緒にSDGsについて考えてみてはいかがでしょうか。
そして、自分のご褒美にチョコレートを買うのなら、自分の幸せだけではなく、世界の人たちの幸せに想いを馳せる……。
2022年のバレンタインはいつもより、少しだけSDGsを意識してみてください。
と言われても、どんなチョコレートを選んだらいいのかわからないですよね。
今回は、Bean to Barを含むSDGsにつながるチョコレートを5つ、chicoさんが教えてくれました。
社会貢献につながるチョコレート5選
ポイント👇
・生産者、消費者、環境、みんなが笑顔になれるAll win chocolateをめざす
・インドネシア。契約農家制にして生活安定させる
・質の良い豆の作り方を教え、それが出来たら買い取る仕組みを作ることで、モチベーションを与える。「かわいそうだから与えるフェアトレード」ではなく、「生産者自らが努力によって勝ち取るフェアトレード」
・寄付ではない、良いものに対価を支払う。生産者の力を上げる本当のサステナブル。
・病気や害虫の影響受けやすいカカオ、アグロフォレストリー(混植)で生態系保つ
ポイント👇
・「チョコレートで世界を幸せに」を企業理念。食べる人、作り手、そしてカカオ原産国の人々にも笑顔が増える仕組みづくり。
・2007年からすべてフェアトレードチョコレートに切り替え。
・ガーナに小中一貫校を建設するなど様々なプロジェクト。現在は現地のシングルマザーや農園で働くお母さんの自立を支援する取り組みを。「いつかは自分の農園を持ちたい」など夢を抱く女性達を育て、国を豊かにしていく長期プロジェクト。
・長年培ってきた三方良しのビジネスモデルで、カカオやチョコレートの新たな可能性を追求。
・カカオトレース認証(栽培技術支援、加工施設の整備。収入・生活水準向上(学校建設や病院設備)をサポート、独自の発酵ノウハウ指導、チョコ売上を生産者に還元。チョコレートを食べることが貢献につながることを実感できるプロジェクト)のチョコレートを使用。1本につき2セントカカオ農家に還元。
・環境に負担のないパッケージや梱包資材の使用、プラスチックフリー
・日本の大手メーカーの中でもいち早く取り組みをスタート
・持続可能なカカオ豆生産実現に向けてカカオ産地支援目標を設定したメイジカカオサポートを実施。2026までにサステナブルカカオ100%にすることを目指している
・自然保護とカカオ豆の栽培を両立する、ソルサル・カカオのカカオを使用。
・個人資本で野鳥の保全区域をつくり、ツグミの保護と良質なカカオ生産を同時に行う
=森林保全とカカオを組み合わせることで持続可能な経済を創る、ソルサルカカオのコンセプトに共鳴。