この記事は2020年9月8日に掲載した記事です
クラフトビール・ウイスキーに続き、「クラフトジン」がブームになっているのはご存知ですか?
特に今注目されているのは、国産のクラフトジン。2016年に日本初のジン専門蒸留所「京都蒸溜所」が誕生し、酒造会社が続々参入。人気の銘柄が多く登場しています。
ベースとなるスピリッツ(蒸留酒)に、ジュニパーベリー(ねずの実)のほか様々なボタニカル(ハーブやスパイス)を加えてつくるジンは自由度が高く、つくり手の個性や独自の技法が反映されやすいお酒。「度数が高いし、カクテルに使うもの?」と思われがちですが、ソーダやジュースで割るなど飲み方も多く、お手軽です。国産クラフトジンなら各地固有の香りを味わうことができます。「今日は鹿児島」とお家飲みが旅行気分でぐっと楽しくなりますよ。
今回は、国産クラフトジン10種類を厳選してご紹介します。おしゃれなボトルデザインも注目です。おすすめの飲み方も最後にあるので、こちらもチェックしてくださいね。
1. 人気の国産クラフトジンおすすめ10選
京都×英国。日本初のジン蒸溜所によるプレミアムクラフトジン
国産クラフトジンといえば、まず名前があがるのがこちら「季の美 京都ドライジン」。2016年に日本初のジン専門の蒸溜所として誕生した、京都蒸溜所によるプレミアムクラフトジンです。
独自の「雅」製法を用い、ボタニカルに玉露や柚子、檜や山椒などを使用。和のエッセンスと英国の伝統を融合させた透明感のある味わいが人気です。
パッケージの文様は、江戸時代から続く唐紙屋を継承する KIRA KARACHO(雲母唐長)監修。豪華なカクテルブック『クラシック 季の美 カクテル』も発売されています。
コウヤマキが香る、和歌山県産クラフトジン
香り高いコウヤマキの葉を使った世界初のクラフトジン。ヨーロッパ産のジュニパーベリーに温州みかんの皮、レモンの皮、山椒の種などの和歌山県産の素材を組み合わせ、小さいタンクで“小仕込み”されてつくられています。
さわやかな香りと味わいで、ジントニックにするほか、柑橘系のジュースと合わせてもよく合います。
日高昆布も。北海道産素材を味わう辛口のジン
2018年創業の北海道初のジンの蒸溜所、紅櫻蒸溜所による「9148 (Ninety-one Fourty-eight)」シリーズ。イタリア製の400L蒸留器で蒸溜し、札幌市南区の水を使用、1回約550本と小ロットでの製造です。ジュニパー、ラベンダーのさわやかな香り、日高昆布、干し椎茸、切干大根のうまみによる甘い香りが特徴で、和食にも合う通な味わい。
「9148」という名前の由来は、ジンが登場するジョージー・オーウェルの小説「1984」。数字をあしらったデザインがレトロフューチャーを感じさせる、おしゃれなボトルです。
希少な「カフェ式」蒸溜機で、和柑橘がさわやかに香る
「本物のおいしさ」にこだわる、ニッカウヰスキーのプレミアムジン。世界的に希少な連続式蒸溜機「カフェスチル」でつくられたジンからは、原料本来の甘味とコクがまるごと感じられます。
ジュニパーベリーをはじめ柚子や甘夏などの和柑橘、国産の山椒、りんごを使用。さわやかな香りが重なりあって醸し出す複雑な味わいで、カクテルベースとしても人気です。
四季を感じる六種の和素材を職人の技でブレンド
日本ならではの6つのボタニカル(桜花、桜葉、煎茶、玉露、山椒、柚子)を使用し、四季を感じられる華やかな香りの「ジャパニーズクラフトジンROKU」。4機の蒸溜機を使い分けて蒸溜した原料酒をサントリーの職人の技でブレンドし、ボタニカルの特徴を引き出しています。
六角形のボトルには、6種のボタニカルが彫刻され、折り重なる香りと味わいを盛り上げます。ソーダ割りはもちろんアレンジにも。
泡盛づくりの技術と沖縄素材が融合した南国のジン
明治16年首里にて創業、泡盛をつくり続ける「まさひろ酒造」による沖縄初のクラフトジン。ジュニパーベリーと融合し、味に変化を与えるボタニカルはシークワーサー、ピィパーズ、ゴーヤーなど沖縄らしい6種類です。
肉料理との相性も抜群。ライムとソーダでつくる「オキナワリッキー」で南国気分を味わうのもおすすめです。
日本の香木「クロモジ」が深い森を感じさせる
養命酒製造が手掛けるクラフトジン「香の森(かのもり)」の主役は、日本古来の香木「クロモジ」。葉や細枝などクロモジの部位の特徴をいかし、レモンピールほか18種のボタニカルも配合しています。森を思わせる豊かな香りと澄んだ味わいで、ロックやストレートでも飲みやすいジンです。
シリーズの「香の雫(かのしずく)」はアルコール度数が低めで、試しやすい300mlサイズ。クラフトジン入門にもおすすめです。
鹿児島産の小さなみかんをメインボタニカルに
鹿児島県・桜島を代表する名産品のひとつ、「桜島小みかん」。世界最小といわれるかわいらしいサイズながら、濃厚な味と香りが特徴です。130年以上焼酎をつくってきた小正醸造が送り出すのは、こちらのみかんを主役にした「KOMASA GIN(コマサジン) -桜島小みかん-」。
飲んだ瞬間に広がる優しい柑橘の香りは誰にでも飲みやすく、独自のさわやかさ。トニックウォーターと炭酸水を両方入れたジンソニックがオススメ。
芋焼酎をベースに知覧茶が香る、鹿児島産クラフトジン
明治41年創業、鹿児島・南薩摩で本格焼酎に取り組んできた佐多宗二商店の「AKAYANE(あかやね)クラフトスピリッツシリーズ」。こちらは薩摩芋をベースに地元名産の「知覧茶」を融合させた、地産地消の「鹿児島産クラフトジン」。
抹茶好きにはたまらない茶葉の香りと心地よい甘味を持ち、ストレートやソーダ割りはもちろん、牛乳や緑茶で割ってもおいしくいただけます。蒸溜器のある赤屋根製造所をデザインしたロゴもおしゃれです。
2020年夏発売。宮崎の大地が香るおしゃれなクラフトジン
宮崎の自然と対話しながら酒造を行う尾鈴山蒸留所が、2020年7月に販売を開始した新作「OSUZU GIN(オスズジン)」。伝統的な手仕事による本格焼酎に、宮崎県産の柑橘類など様々なボタニカルを漬け込んで蒸留しています。香り高い榊(さかき)も使われ、大地の香水のようなクラフトジンです。
OSUZU GINにも使われる焼酎「尾鈴山 山ねこ」はかわいいロゴのラベルが人気。こちらのボトルデザインもおしゃれで、プレゼントにも喜ばれそうですね。
2.国産クラフトジンを手軽に楽しむおすすめの飲み方
保存は常温でOK?
アルコール度が高いので開封後も常温保存できますが、直射日光が当たるような場所での保存はやめましょう。開封したら急いで飲む必要もないので、容量が大きなサイズを購入しても、少しずつ飲むことができます。
冷たくしたい場合は冷凍庫に入れておくと、凍らずにおいしく飲めますよ。
飲み方は?
蔵人のこだわりや日本各地のボタニカルが詰まった国産クラフトジン。その個性をまるごと感じるためには、何も混ぜずに味わってみるのがおすすめ。
・ストレート
常温でそのまま
・オンザロック
氷にジンを注ぐ
・トワイスアップ
ジンと水を1:1で割る
おすすめの飲み方は?
ソーダ水を加えれば、炭酸のシュワシュワ感でスッキリ飲みやすくなります。甘さや味はないので、クラフトジンの風味はそのまま。トニックウォーターには炭酸のほか、甘さとボタニカルな風味もあります。
・ジンソーダ
氷を入れたグラスにジンとソーダ水を1:4くらいの割合で注ぎ、軽く一回混ぜる
・ジンリッキー
ジンソーダにカットしたライムを沈める
・ジントニック
氷を入れたグラスにジンとトニックウォーターを1:3くらいの割合で注ぎ、軽く一回混ぜる。ライムかレモンを飾る
トッピング
ジンには元々ボタニカル成分が入っていますが、山椒、レモン、梅、生姜、柚子、わさび、しそなどのトッピングを加えても、様々な風味をおいしく味わえます。
・生姜トッピング
ジンソーダに生姜のすりおろしを小さじ1/2程度加え、軽く一回混ぜる
ジュース
フルーツジュースで割るだけで見た目も華やかな飲みやすいカクテルに。シェイクしなくてもよく混ざります。
・オレンジブロッサム
氷を入れたグラスにジンとオレンジジュースを1:2~1:3くらいの割合で注ぎ、軽く一回混ぜる
・ジンコーク
氷を入れたグラスにジンとコーラを1:2~1:3くらいの割合で注ぎ、軽く一回混ぜる。ライムを飾っても
お茶・お湯割り、ラテ
緑茶やで割ればさっぱりとした味わいに。寝る前にはお湯やホットミルクと合わせて身体をあたためる飲み方もおすすめです。
・お茶割り
氷を入れたグラスにジンと冷たいお茶を1:4くらいの割合で注ぎ、軽く一回混ぜる
・お湯割り
耐熱のグラスにジンとお湯を1:5くらいの割合で注ぎ、軽く一回混ぜる。ゆずを加えても
・ジンラテ
耐熱のグラスにジンとホットミルクを1:3くらいの割合で注ぎ、メープルシロップを加えて混ぜる(あればシェイカーを使う)
まとめ
そのままでも、ソーダやジュースで割っても楽しめる香り豊かな国産クラフトジン。おすすめ10選と簡単な飲み方を紹介しました。
1本あれば、お家飲みメニューのバリエーションが倍増します。瓶もおしゃれなものが多いので、ぜひお家の常備酒に加えてみては?