アメリカ大統領選のカギ「選挙人」とは?勝者の決め方は?【3分でわかる、かんたん仕組み解説】

アメリカ大統領選挙で、勝者はどのように決まるのか。結論から言えば、270人以上の選挙人を獲得した方が勝者になる。では、選挙人はどう選ばれるのか?スイングステートとは?日本とはちょっと違う、大統領選の仕組みを解説する。
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2024年のアメリカ大統領選挙は、民主党のハリス氏と共和党のトランプ氏が接戦を繰り広げている。一般投票は日本時間11月6日(水)に行われるが、どうやって勝者が決まるのか。

結論から言えば、270人以上の選挙人を獲得した方が勝者になる。

では、各候補はどうやって選挙人を獲得するのだろうか。

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1. 一般選挙で有権者が投票しているのは州の選挙人

選挙人は各州ごとに任命される代表だ。大統領選挙では、その州で最も票を集めた候補が、州に割り当てられた選挙人を獲得することになる。

米大統領選挙は「間接選挙」だ。

投票用紙には、ハリス氏やトランプ氏など実際の候補者の名前が書かれているため、有権者は直接大統領候補に投票しているように見える。

しかし実際は、自分の望む候補者に投票する州の「選挙人」を選んでいることになる。

米ミシガン州の郵便投票用紙。大統領選挙の候補者の名前が書かれているが、実際はそれぞれの候補に投票してほしい選挙人を選んでいる(2024年10月28日)
米ミシガン州の郵便投票用紙。大統領選挙の候補者の名前が書かれているが、実際はそれぞれの候補に投票してほしい選挙人を選んでいる(2024年10月28日)
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2. 選挙人をどうやって獲得する?

選挙人の数は、連邦上院と下院の議員を足した人数で、州ごとに違う。住人が多い州ほど選挙人の数は多く、2024年の大統領選挙ではカリフォルニアが54人、テキサスは40人で、少ないワイオミングやデラウェアでは3人だ。

50州のうち48州が「勝者総取り制」で、その州で最も多くの票を獲得した候補が、州の選挙人全員の票を獲得する。

例外はメイン(選挙人数4)とネブラスカ(選挙人数5)だ。

「選挙区方式」をとっているこの2つの州では、州全体の得票数が多かった候補が獲得できる選挙人は2人。残りは連邦下院議会選挙区(メイン2、ネブラスカ3)にそれぞれ1人ずつ割り当てられて、その選挙区で勝った候補が獲得する。

そのため、メインとネブラスカでは全体の得票数はトランプ氏が多くても、選挙区で勝ったハリス氏が選挙人1人を獲得するなど、民主党と共和党の選挙人が選出される場合がある。

アメリカ全体の選挙人の数は538人。大統領選挙では、この過半数の270人以上を獲得した候補が勝者になる。

各州の最終結果が発表されるたびに、候補者が獲得した選挙人数が更新され、どちらが270に達するかに注目が集まる。

今回の選挙では7つの激戦州(ペンシルベニア、ミシガン、ノースカロライナ、ジョージア、ウィスコンシン、アリゾナ、ネバダ)が、結果を左右すると言われており、この7州の動きが特に注視されている。

3. 選挙人投票は12月

11月の一般投票で大統領選挙の勝者が決まるわけだが、大統領選出の手続きが終わるわけではない。

一般投票の後、各州は結果に従って州を代表する「選挙人団」を編成する。

共和党の候補者が勝った場合は州の共和党、民主党候補の場合は民主党が選んだ「選挙人団」が作られる。

選挙人による投票は12月17日に行われ、連邦議会で2026年1月6日に開票して、正式に大統領が任命される。

ちなみに選挙人の投票で過半数を獲得する候補者がいなかった場合、連邦議会下院で大統領を選び、上院で副大統領を選ぶ

「選挙人団」は、合衆国憲法とともに導入されたユニークな仕組みだが、この制度の性質上、アメリカ大統領選挙では全体の得票数では上回っている候補が、選挙に敗北する場合がある。

この事態はこれまでに5回発生しており、直近では2016年の選挙で、全体の得票数が290万票近く上回った民主党のクリントン候補が、共和党のトランプ候補に敗北した。

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