グーグルやFacebook、アップルなど世界的なIT企業が集まるアメリカ・カリフォルニア州の「シリコンバレー」の路上で7月下旬、一人のホームレスの男性が職を求め、行き交う車の運転手に履歴書を配っていた。
そんな姿に心を動かされた女性がTwitterに男性の写真付きで支援を呼びかける投稿をしたところ、13万回以上リツイートされ、男性のもとに採用の申し出が殺到した。
ABCニュースによると、男性はデビッド・カサレスさん(26)。カサレスさんは7月下旬、ワイシャスにスラックス姿でシリコンバレーの路上に立ち、道行く車に履歴書を配りながら、次のような文言が書かれた紙を掲げた。
「ホームレスは成功を望んでいます。履歴書を受け取ってください」
履歴書によると、カサレスさんは2014年にテキサス州立テキサスA&M大学を卒業後、ゼネラルモーターズなどで働いた経験を持つ。複数のプログラミング言語を使いこなすことができるIT技術者で、2018年5月からはフリーランスのウェブ開発者を名乗っている。
CNNによると、カサレスさんは最近、金に困り、仕事探しをするようになったという。
風変わりな「就活」が一人の女性の目に止まり、カサレスさんに運気がめぐってきた。
ジャスミン・スコフィールドさんは7月下旬、車を運転中にカサレスさんに気づき、履歴書を受け取った。その後、彼と履歴書の写真にこんな文言を添えてTwitterに投稿した。
「今日、この若者のホームレスを見かけました。彼は通行人たちにお金を要求するのではなく、履歴書を受け取って欲しいと訴えていました。もしシリコンバレーで彼を助ける人がいれば、とても素敵なことでしょう。リツイートお願いします。さあ、デビッドを助けましょう」
投稿はまたたく間に拡散。13万回超リツイートされ、22万超の「いいね」を獲得した。
反響はネット上だけにとどまらず、実際にカサレスさんのもとには採用を申し出るメールなどが200件以上殺到し、受信ボックスは「パンク」状態になったという。
カサレスさんはTwitterでこう感謝の言葉を述べた。
「あふれんばかりの支援、みなさん本当にありがとう!私の話にたくさんの人が興味を持ってくれて、本当に驚きです。同じような境遇にある人たちと会い、それぞれの話を聞きました。みなさんに刺激を与えることができて本当にうれしいです」
スコフィールドさんはハフポスト日本版の取材に対し、「私のツイートがきっかけでデビッドへの支援の和が広がり、本当にハッピーです。彼はきっと成功を手にするでしょう」と話した。