「オランダという国名まで使われなくなるのでは?」とネット上で話題になった報道があった。
オランダの英語名は、これまで「Holland(ホランド)」と「the Netherlands(ザ・ネザーランズ)」という2種類が使われていた。しかし、1月からは「the Netherlands」に公式名が統一された。
「オランダ」という日本語の国名も「Holland」に由来するものだが、変更されるのだろうか。2015年には旧ソ連のグルジアという国名が、ジョージアに変更されただけに気になるところだ。
ハフポスト日本版では真相を確かめるべく、駐日オランダ大使館の担当者に聞いてみた。
■オランダの由来
オランダ語での正式名称はKoninkrijk der Nederlande。日本語にそのまま訳すと、ネーデルラント王国。ネーデルラントとは「低地の国」を意味する。
その一方、Holland(ホランド)という呼び名も海外では一般的に使われている。
日本大百科全書には「オランダ独立の中心となり、現在もオランダの心臓部を形成しているHolland(ホラント)地方に由来」しており、「日本語のオランダ(和蘭陀)も、この言葉がなまったものだという」と書かれている。
日本とオランダの交流の歴史は古く、江戸時代初期にはオランダ東インド会社が貿易を担っていた。
■英語名を統一した経緯はブランディング
ニューヨークタイムズによると、1月1日から政府の広報や宣伝資料には「Holland」の文字がなくなり、「The Netherlands」のみが使われているという。
オランダ外務省の広報担当者はガーディアンに対して「我が国の正式名称を使用することが望ましいと同意しました」と話した。「オランダの文化、規範、価値」を広めるのが理由で、ブランディングの一環のようだ。
■駐日オランダ大使館の回答は?
こうなってくると気になるのは、日本語の「オランダ」という表記も「ネザーランズ」に変更されるのかという点だ。
駐日オランダ大使館の広報担当者に取材すると、以下のような返事だった。
「オランダは、日本語の言葉として定着しているので今後も変更はありません。日本語の国名はオランダ。今後もオランダ王国大使館を名乗っていきます」