大津市の交差点で5月8日、保育園児の列に車が突っ込み2人が亡くなった事故から一夜明けて、Twitter上では「#保育士さんありがとう」のハッシュタグとともに感謝の気持ちをツイートする人々が相次いでいる。
今回の事故は、交差点で衝突した車の1台が歩道に乗り上げ、園児の列に突っ込んだことで発生した。
現場の状況が分かるにつれ、保育園や引率していた保育士の判断だけでは防ぐことが難しかったことが明らかになりつつある。
一方で8日に開かれた保育園の記者会見。泣き崩れた園長に対して、保育園側の過失を責めているように聞こえた記者の質問には批判が相次いだ。
こうした一連の事態を受けて、全国の保育士に対して「萎縮しないで」「保育士のせいじゃない」と呼びかける運動が起こっている。
イラストエッセイストの犬山紙子さんは、「お散歩に連れてってくれてありがとう いつも子どもの安全を第一に考えてくれてありがとう 私も笑顔で仕事できます 心無いことを言う人がいませんように」と綴った。
また、ミュージシャンの草野絵美さんも「保育士さんは神だと思うよ」と、以下のようにツイートしている。
こうした広がりについて、保育の現場はどう受け止めただろうか。
病児保育サービスや保育園を運営し、自身も保育士の資格を持つNPO法人フローレンス代表理事の駒崎弘樹さんは、ハフポストの取材に対して「他人事ではないと思ったし、あの記者会見には怒りを禁じ得なかった。散歩は保育園の毎日に欠かすことができないもの。国の配置基準に沿って保育士の人数も確保されていたし、保育園側ではどうやっても防ぎようがなかったことですから」と話す。
また、今回の保育園に園庭がなかったことを指摘する声に対しては、保育園における散歩は、季節の移ろいや自然環境を感じたり、交通ルールを教えたりする教育的効果があるので絶対に必要なものだと指摘。「園庭があっても散歩には行く必要がある」とした。
ハッシュタグの広がりについては、「ポジティブなカウンターが広がっていることは嬉しいこと。保護者は『気をつけてほしい』と思うのは当然だけれど、それによって本来は被害者なのに加害者のように扱われることは本当に辛い。僕も保育に携わる者として本当に慰められる思いだし、全国の保育士さんには萎縮しないでと言いたい」と話した。