緊急事態宣言で、外出は本当に減ったのか?新橋は8割減を達成も、ほぼ変わらないところも

NTTドコモの発表した調査結果から読み解く。

緊急事態宣言の対象が全国に拡大されてから、初の週末が終わった。

安倍首相は「最低7割、極力8割」の接触削減を掲げ、不要不急の外出を避けるよう国民に呼びかけた。

これは、どこまで効果があったのか。NTTドコモは、通信データをもとにした人出の分析結果を公表。地域ごとに大きなばらつきがある実態が浮き彫りになった。

緊急事態宣言前(7日)を100として計算。青グラフは19日午後3時時点のデータ。
緊急事態宣言前(7日)を100として計算。青グラフは19日午後3時時点のデータ。
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■ドコモが集計

NTTドコモが公表したのは、匿名化処理を施した通信データを用いた人口統計。4月19日(日曜日)午後3時時点のものが掲載されている。

感染拡大前の期間(1月18日〜2月14日の平均)や、緊急事態宣言の前(4月7日)と比較して、どの程度人の流れが増減したかを調べた。

また、住宅地では一定数の居住者がいるため、大きく数字が減ることはない。

■関東エリアは

まずは関東エリア。

東京では、緊急事態宣言前(4月7日)と比べて▽新橋が-80.5%▽銀座が-79.8%と著しく減少していることがわかる。

新橋はオフィス街のため、火曜日だった4月7日と比べて減少幅が大きく出る可能性がある。しかし、感染拡大前の休日平均と比べても-65.7%となっており、人の流れは着実に減っている。

普段は賑わう銀座も大きく減った。外国人観光客が多く訪れる地域だけに、旅行者がいなくなったことが影響している可能性もある。

ほかには▽新宿が4月7日との比較で-67.9%で、感染拡大前と比べても-79.9%と明らかに人の流れが減っていることがうかがえる。▽歌舞伎町も同様の傾向がみられる。

一方で▽浅草は4月7日と比べて-19.6%と小幅な減少。感染拡大前の休日と比べても-48.8%に留まった。観光客の減少はあったものの、買い出しなどで商店街を訪れる人が多かったと考えられる。悪天候だった前日の土曜日、18日と比べると16.9%の増加だった。

■関西エリア

関西では、▽大阪府梅田が-74.6%(4月7日比)と大きく減少した。感染拡大前と比べると-86.9%と8割を上回る数字が出た。Twitterには、人がほとんどいなくなった大阪梅田駅などの画像が投稿されている。
▽京都府京都駅は-47.8%(4月7日比)。感染拡大前との比較では-72.2%だった。
減り幅が小さかったのは▽奈良県奈良駅で-20.5%(4月7日比)だった。

■そのほかの都市は

普段人の流れが多い都市はどう変化したか。緊急事態宣言前(4月7日)との比較を見てみよう。

▽北海道札幌駅は-70.5%と7割減をクリア。札幌市では、経路不明の感染者が増加傾向にあり、北海道の鈴木知事は、週末の不要不急の外出や札幌市への往来を控えるよう呼びかけていた

▽宮城県仙台駅は-62.2%。

▽埼玉県大宮駅は-58.9%。

▽千葉県千葉駅は-62.9%の一方で、▽船橋駅は-27.3%だった。

▽神奈川県横浜駅は-62.7%。

▽富山県富山駅は-75.8%。18日には初の死者が出たことが報じられていた。

▽愛知県名古屋駅は-68.8%。こちらも人がほとんどいない駅の写真などがTwitterに投稿されていた。

▽広島県広島駅は-42.0%。

▽福岡県天神は-66.2%。感染拡大前と比べて-77.7%減った。

▽大分県別府駅は-0.2%とほとんど変わりがなかった。感染拡大前からは-26.2%減っている。

▽沖縄県の国際通りは-61.4%。感染拡大前と比べると-24.2%で、この週末に自粛ムードが高まったことがうかがえる。

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